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2014年2月17日 (月)

ジェノサイド (高野和明)

ジェノサイド 上 (角川文庫)

ジェノサイド 下 (角川文庫)
物騒なタイトルゆえ敬遠していたのですが面白かったのでご紹介します。超大国アメリカのエゴが人類の存続を危うくする、という大迫力のエンターテイメント小説。その背景にあるのが、かつて発表された「ハイズマンレポート」。これは、現世人類が絶滅する原因をまとめたもの。
  1. 宇宙規模の災害
  2. 地球規模の環境変動
  3. 核戦争
  4. 疫病、ウイルスの脅威及び生物兵器
  5. 人類の進化
1から4まではわかりますが、5がなぜ人類絶滅につながるのか。そこがこの小説のポイントです。レポートをまとめたハイズマンが後年語った言葉が印象的。

ハイズマン「現政権だけじゃない。私は権力者が嫌いだ。あいつらはいわば必要悪だが、それにしても度が過ぎている。もっと言えば、私は人間という生物が嫌いなんだ」
聞き手「なぜです?」
ハイズマン「すべての生物種の中で、人間だけが同種間の大量殺戮を行なう唯一の動物だからだ。それがヒトという生き物の定義だよ。人間性とは、残虐性なのさ。かつて地球上にいた別種の人類、原人やネアンデルタール人も、現世人類によって滅ぼされたと私は見ている」(中略)
ハイズマン「現在、地球上に生きている65億の人間は、およそ100年後には全員が死に絶える。なのに、なぜ今、殺し合わなければならないんだろうな?」

怒りに任せて核ミサイルのスイッチを押しかねないアメリカ大統領が手玉に取られるところは痛快無比。人間は、地球を破壊しかねない、どうしようもなく愚かな生き物かもしれないけれど、「ジェノサイド」を乗り越えて精一杯生きていこうと思わせてくれる一冊。わたしは面白かったけれど、 ある意味、理系礼賛小説なので好みが分かれると思います。

お勧め度:★★★★★

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