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2014年1月 3日 (金)

永遠の森 博物館惑星 (管 浩江)

永遠の森 博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA) 博物館といえば『100のモノが語る世界の歴史』で大英博物館の収蔵品が紹介されていました。それを美術品、工芸品、動植物、音楽、舞台芸術などに関わる、人類が入手した、あらゆる物を収めた巨大博物館、それが「アフロディーテ」なのです。タイトルに「博物館惑星」とあるのは、地球の衛星軌道上に持ってきた、オーストラリアと同面積の小惑星だから。

それはギリシア神話の、愛と美を司る女神ヴィーナスのこと。そこで働く学芸員は、中枢データベースを利用するのに端末のキーボードを叩く必要はありません。コマンドを意識するだけで直接接続でき、回答は内耳に直接返ってくる。
  1. 天上の調べ聞きうる者
  2. この子はだあれ
  3. 夏衣の雪
  4. 享ける形の手
  5. 抱擁
  6. 永遠の森
  7. 嘘つきな人魚
  8. きらきら星
  9. ラヴ・ソング
以上、9つの短編集。1章で、音楽(天上の調べ)が聴こえるという絵画が持ち込まれ、学芸員の田代孝弘が鑑定するのですが、どんなオチになるのかワクワクしながら読んで肩透かし。「そりゃそうだわな」と思いつつ、ちょっとがっかり。それでも「ちょっといい話」的な部分もあります。わたしは4章「享ける形の手」が気に入りました。

お勧め度:★★★☆☆

コンピュータとの「直接接続」ってすごく便利だろうけど、わたしは脳外科手術まで受けてサイボーグにはなりたくない。そもそもコンピュータを使うのに、そこまでする必要はないと思う。マン・マシン・インターフェイスに究極のスピードを求めるしたら、それは戦闘機(宇宙船?)のパイロットとか、一瞬が生死を分ける職業でしょう。博物館の学芸員じゃない。

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