« [iPad mini] Bluetooth ワイヤレスヘッドフォンが面白い! | トップページ | 嘆きのサイレン 〜 クラッシュ・ブレイズ 1 (茅田 砂胡) »

2013年10月29日 (火)

この空のまもり (芝村裕吏)

この空のまもり (ハヤカワ文庫JA) 少子化が進み、多くの移民(外国人)を受入れ、何事にも無策な日本政府。先日読んだ『歌うクジラ』(村上龍)を思い出します。でも、あそこまで陰惨ではありません。

スマートフォンの次に現れた「強化現実眼鏡」をかければ、現実にプラスして、様々な情報(飲食店の口コミ情報や城趾公園に天守閣など)が見えるのですが、Googleが提供する世界では「仮想タグ」を使って「落書き」ができてしまうのです。これが迷惑至極。個人の背中に悪口雑言を書いた紙を貼付けることもできてしまう。ただ、それは眼鏡をかけるか、スマホを通してしか見えない。

周辺諸国の悪意満載の仮想タグが日本の空を覆っているのに、政府は「現実には実害はない」と無策なのに業を煮やしたニート田中翼が架空防衛軍を指揮して、日本の空を守るために密かに奮闘しているわけです。

出版社のコメントには「理性的愛国を実践する電脳国防青春SF」とありますが、とにかく世界観がわかりづらい。ニートの翼、大学生の三浦大輔、小学生の遠山翔と彼の担任教師らが順番に登場するのですが、テンポが悪いのかもしれません。状況がすこしずつわかってくるのではなく、全部読んでやっとわかる。

ほんとうは、翼は幼なじみの七海を守りたいだけで、七海の住む家、街、国を守るために活動しているというのは、わかりやすいけれど、戦争に出征する兵士の言葉として使い古されています。

本書を読み終えて現実に目を向けると、歩きながら、自転車に乗りながら、スマホを見ている人たちがたくさんいます。現実から目を背け、仮想世界に閉じ籠っているように見えます。「強化現実眼鏡」予備軍は、Googleの思うツボ。

テレビの中の世界は嘘っぱち。ネット世界も同様です。勘違いしないよう、ご用心!

お勧め度:★★★☆☆

これはアニメにすると面白いはず。『京騒戯画』みたいな作品になるといいな。

« [iPad mini] Bluetooth ワイヤレスヘッドフォンが面白い! | トップページ | 嘆きのサイレン 〜 クラッシュ・ブレイズ 1 (茅田 砂胡) »

現代小説」カテゴリの記事

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ