« 素数ものさし (不便益システム研究所/京都大学サマーデザインスクール 2012) | トップページ | ファロットの誘惑―デルフィニア戦記 12 (茅田 砂胡) »

2013年8月19日 (月)

妖雲の舞曲―デルフィニア戦記 11 (茅田 砂胡)

妖雲の舞曲―デルフィニア戦記〈11〉 (C・NOVELSファンタジア) デルフィニアを東西から挟み撃ちにしたタンガ、バラストがウォルを人質にしながらも破れた。しかも、ウォルを拷問したパラストのオーロン王の部屋に忍び込んだリィはオーロンを鞭打ち、恐怖を植え付けたのです。そのおかげで戦後処理がスムーズに進んだことは否めませんが、それだけでは甘い。

この世界の王様たちはほんとに懲りない連中なのです。タンガとパラストは、今度は北方のスケニアを巻き込んで、コーラルを海から攻めさせようという作戦を立てます。スケニアが捨て駒にされるのは目に見えているのに、実力を知らないスケニアを助っ人に立てれば「今度は勝てる」と思ってしまうところがお馬鹿としか言いようがありません。

もう彼らの国盗り合戦には興味が失せました。そんなことより、9巻で戦争が始まって「お預け」になっていたウォルの愛妾探しが気になります。最終章で、リィは久しぶりにポーラ・ダルシニを訪ねますが、すでに結婚が決まっていてガッカリ。それでもなにかお祝いを贈ろうとシェラに相談します。だけど、リィは「お金がない」「ウォルに頼めばいい」「そういうものなのか?」。シェラが頭を抱える様子が目に浮かびます。

後日、ウォルがバルロの私邸を訪れていた折、ポーラの弟キャリガンがバルロに決闘の許しを請いに飛び込んできたのです。事情を聞くと、姉ポーラが結婚相手から「未婚の娘が、見知らぬ男を何日も自宅に泊めたとあっては貞操が疑われる」と結婚を断ってきたというのです。疑惑の原因を作った男としては知らぬふりはできぬとウォルは黙って飛び出していきます。その後、キャリガンは真相を聞かされ…。お気の毒さま。(こういう下りがじつに面白い!)

そして、ダルシニ邸を訪ねたウォルは事情を聞き「ポーラに愛妾になってもらえまいか」と切り出しますが「とんでもない。国王ならともかく妾なんて」「国王なら問題ないのか。それなら話が早い」。その後、ウォルが国王であることを知って茫然自失のポーラたち…。はい、お気の毒さま。(かわいそうだけど面白い!)

11巻はこの最終章だけで★5つです。

お勧め度:★★★★★

« 素数ものさし (不便益システム研究所/京都大学サマーデザインスクール 2012) | トップページ | ファロットの誘惑―デルフィニア戦記 12 (茅田 砂胡) »

SF/ファンタジー」カテゴリの記事

ライトノベル」カテゴリの記事