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2013年3月

2013年3月31日 (日)

放課後はミステリーとともに (東川 篤哉)

『謎解きはディナーのあとで』の作者が贈る「二匹目のドジョウ」、だそうです。高校の探偵部を舞台にした学園ミステリー、だそうです。(テンションが低くて申し訳ありません。)
  1. 霧ヶ峰涼の屈辱
  2. 霧ヶ峰涼の逆襲
  3. 霧ヶ峰涼と見えない毒
  4. 霧ヶ峰涼とエックスの悲劇
  5. 霧ヶ峰涼の放課後
  6. 霧ヶ峰涼の屋上密室
  7. 霧ヶ峰涼の絶叫
  8. 霧ヶ峰涼の二度目の屈辱

霧ヶ峰涼の云々という目次を見た途端「涼宮ハルヒ」を思い出した方も多いのではないでしょうか。1話目のオチはハルヒにもありましたっけ。いきなり「なんだかなぁ」モードに突入です。そういえば『ディナーのあとで』も面白いことは面白いんだけど、それって毒舌執事という設定と、ラノベ的なリアクションや言い回しによるもので、小説としての面白さとはまたちがうような気がして残念だったことを思い出しました。二匹目も同じなんです、ザンネンなことに…。

千歳烏山、祖師ケ谷大蔵という駅名は、個人的にはとっても懐かしいのですが、登場人物名を苦し紛れに路線図から取っただけという気がしますし、広島ファンは大いに結構なのですが、余計なことを言うから阪神ファンと巨人ファンを敵に回しましたね。ハルヒなら許しますが、涼は許せそうにありません。狭量なわたしがザンネンな一冊でした。

お勧め度:★☆☆☆☆☆


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2013年3月30日 (土)

RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (荻原 規子)

「Red Data Girl、絶滅危惧少女って一体なんだ?」と不思議に思いつつ1巻を読み始めたときを思い出します。それがこの6巻で完結。絶滅危惧種というよりは、人類の滅亡を防ぐため、未来を変える力を持った人間(すなわち泉水子)を世界遺産に登録しちゃおうというお話だったわけです。

荻原規子はデビュー作「空色勾玉」から読んでいて、古事記や日本書紀の世界をベースにした日本独自のファンタジーが気に入っていました。本書のあとがきによると「神話・歴史に基づく過去の文化遺産に足をつっこみながらも、既存の制約に縛られず、個人の空想の自由な羽ばたきを許されるもの」をファンタジーだと理解しているとか。

泉水子は両親と一緒に暮らすこともできず、彼女のもつ「力」については何も教えられずに山奥の神社で守り育てられてきたせいもあって、引っ込み思案で、自分に自信がなく、人混みは大の苦手でした。そこに守役として連れて来られて相良深行とは互いに反発するばかり。どうなることかとハラハラしていましたが、この最終巻では、いい感じになってきてホッとしています。

どきどき、ハラハラ、ヒヤヒヤの最終巻。面白かった!

お勧め度:★★★★★

2013年3月28日 (木)

船越英一郎の京都案内 (船越英一郎)

ドラマ撮影で京都に長い船越英一郎のグルメ本。前半はお高い店が多くて(わたしには)あまり参考になりませんが、時々「あ、この店行ってみたいな」。
  1. 京都コンシェルジュ・船越がナビする京都・春夏秋冬コース(春:桜色染まる東山へ 夏:涼を求めて鞍馬&貴船、鴨川へ 秋:まさに絶景なり、錦の嵐山へ 冬:華やかな行事と冬の味。凛とした祇園へ)
  2. ロケ場所から撮影所まで 船越の撮影現場のぞき見ツアー
  3. 船越が選び抜いた京都完全グルメガイド(京都二泊三日くいだおれ捜査 1日目:味禅〜壷銭洋食〜三鴨亭 2日目:熊魚庵 たん熊北店〜新福菜館〜古都香〜高台寺 閑人 3日目:イノダコーヒー本店〜牛若丸〜丸太町十二段家〜いづ重 ジャンル別グルメセレクト:和食、専門店、お肉、蕎麦&ラーメン、洋食、中華&韓国、バー)
  4. パワースポットからお土産まで 京都の奥はまだまだ深い(ご利益確実!? 秘密のパワースポット、うまいもんとお土産コレクション:甘いもん、食卓の友、お土産)

仕事柄、太秦の京都撮影所近辺の店も多いようで、出町柳を活動拠点に自転車で移動するわたしとしてはちょっと遠い。それでもチェックしたのは、イノダコーヒー本店のモーニング(7:00〜)、ラーメン てんぐ 常磐店、レーブドゥドゥーのシュークリーム、然花抄院のかすてら、今西軒のきなこのおはぎ、以上。

お勧め度:★★★☆☆


2013年3月26日 (火)

京都 地名の由来を歩く (谷川 彰英)

「名古屋 地名の由来を歩く」同様、それほど地名にこだわった内容ではありません。地名の由来にも触れつつ京都を案内する本です。
  1. 京都は水の都だった!(清水寺、神泉苑、貴船神社、下鴨神社、梨木神社の染井、醍醐寺、渡月橋、哲学の道、インクライン)
  2. 坂に伝わる人の思い(八坂神社、三年坂、二年坂、茶わん坂、蹴上)
  3. 京都の町づくり〜開発と産業(羅城門、東寺、お土居、高瀬川、木屋町通、西陣、粟田口、一口)
  4. 人々を救う仏教思想〜気になる寺々(百万遍、永観堂、蛸薬師堂、六角堂、東福寺、建仁寺)
  5. 葬送の地に立つ(化野念仏寺、千本通、鳥辺野、六波羅蜜寺、六道珍皇寺、六道の辻)
  6. 京都にはいくつもの戦いがあった(一乗寺下り松、新撰組壬生屯所跡、壬生寺、本能寺)
  7. 占いと怨念の世界(清明神社、一条戻橋、帷子ノ辻、方広寺)
  8. 京都の遊びと地名(先斗町、上七軒、祇園)
  9. いつまでも慕われる人(誠心院、小町寺、鞍馬山、高台寺、ねねの道)
  10. 朝鮮半島と地名(太秦、大酒神社、蚕の社、耳塚)
  11. 食べ物・飲み物と地名(聖護院、伏見稲荷、鹿ヶ谷、萬福寺、伏見、宇治)

はじめて哲学の道を歩いたときは気づかなかったのですが、琵琶湖疎水のことを調べて、南禅寺から銀閣寺へ向かって流れていることに気づいたときは驚きました。水量が少ないので注意して見ないとわからないのですが、鴨川は北から南へ流れているのだから違和感があります。

今度京都に行ったら高台寺と六角堂を訪れてみたいと思います。

お勧め度:★★★☆☆


2013年3月24日 (日)

名古屋地名の由来を歩く (谷川彰英)

鶴舞(つるま)図書館で借りてきました。地元名古屋に関する書籍は蔵書数が多いので借りやすいのです。
  1. 英傑のふるさとを訪ねる(織田信長、豊臣秀吉、加藤清正、前田利家、柴田勝家、山内一豊、福島正則、徳川家康)
  2. 神社から歴史を探る(熱田神宮、真清田神社、国府宮、金山神社、綿神社、萱津神社)
  3. 知られざる名古屋の寺院の魅力(大須観音、七寺、萬松寺、日泰寺、甚目寺、荒子観音、笠寺観音)
  4. 名古屋の街並みを歩く(七里の渡し、鳴海宿、有松宿、佐屋宿、四間道、白壁・主税、黒川、堀川、長者町繊維街)
  5. 近代の物づくりの町 名古屋(豊田、則武、瀬戸、常滑、七宝、明治村)
  6. 名古屋のおもしろ地名(八事、鶴舞、御器所、味鋺、猪子石、極楽、振甫町、道徳、呼読、枇杷島)
  7. 名古屋近郊の地名(犬山、桶狭間、小牧、長久手)
書名から想像するに上記6〜7章がメインだと思っていたのですが、名古屋の歴史本だと思ったほうがいいようです。東京から名古屋に越してきた当初、市内をクルマで移動していても青い案内板に書いてある地名が読めなくて困ります。八事(やごと)、御器所(ごきそ)、上社(かみやしろ)、猪子石(いのこし、いのこいし)…。本書にもありますが、JR中央線の鶴舞駅は「つるまい」なのですが、駅を出たところにある鶴舞公園は「つるま」なのです。猪子石も公式には「いのこいし」らしいのですが「いのこし」で通ります。そういえば味鋺(あじま)もずっと読めなかったなぁ。極楽(ごくらく)はふつうの住宅地だし、道徳(どうとく)には昔、スロットレーシングのお店があったっけ。

名古屋に興味のある方、あるいは名古屋に越してしてきた方にお勧めします。

お勧め度:★★★☆☆

2013年3月22日 (金)

100のモノが語る世界の歴史3: 近代への道 (ニール マクレガー)

この第3弾が、大英博物館とBBCによる世界史プロジェクト完結篇です。99番のクレジットカードは意外でした。
  1. ホーリー・ソーン聖遺物箱
  2. 「正教勝利」のイコン
  3. シヴァとパールヴァティー彫像
  4. ワステカの女神像
  5. イースター島のホア・ハカナナイア像
  6. スレイマン大帝のトゥグラ
  7. 明の紙幣
  8. インカ黄金のリャマ像
  9. ヒスイの龍の杯
  10. デューラーの「犀」
  11. ガレオン船からくり模型
  12. ベニン・プラーク〜オバとヨーロッパ商人
  13. 双頭の蛇
  14. 柿右衛門の象
  15. ピース・オブ・エイト
  16. シーア派の儀杖
  17. ムガルの王子の細密画
  18. ビーマの影絵人形
  19. メキシコの古地図
  20. 宗教改革100周年記念パンフレット
  21. アカンの太鼓
  22. ハワイの羽根の兜
  23. 北米の鹿革製地図
  24. オーストラリアの樹皮製の楯
  25. ヒスイの壁
  26. ビーグル号のクロノメーター
  27. 初期ヴィクトリア朝ティーセット
  28. 北斎「神奈川沖浪裏」
  29. スーダンの木鼓
  30. 女性参政権を求めるペニー硬貨
  31. ロシア革命の絵皿
  32. ホックニーの「退屈な村で」
  33. 武器でつくられた王座
  34. クレジットカード
  35. ソーラーランプと充電器

「76. ガレオン船からくり模型」は、動く装飾品であり、時計、オルゴールでもあったそうです。高さ40cmの模型が16世紀ドイツの屋敷のおおきなテーブルの上を動く様子を想像するとワクワクします。

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「91. ビーグル号のクロノメーター」は、1831年、チャールズ・ダーウィンを載せて大航海をした英国軍艦ビーグル号に搭載されたマリンクロノメーターのうちの1台。航海中、現在の緯度を知るためには正確な時計は必需品でした。どんな温度、湿度でも、たとえ海が荒れても水平を保ち、正確な時を刻み続ける時計。それがイギリス、グリニッジから送り出されていたのです。イギリスの精巧なモノづくりを見るとTVシリーズ「サンダーバード」を思い出すのはわたしだけでしょうか。

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人間が作り出してきたモノをめぐる旅日記は、さほど堅苦しいものではなく、わかりやすく、イギリスらしいユーモアを交えて書いてありました。

お勧め度:★★★★☆


2013年3月20日 (水)

100のモノが語る世界の歴史2: 帝国の興亡 (ニール マクレガー)

大英博物館の収蔵品から100点を選んで人類の歴史を振り返る世界史プロジェクト第2弾。今回は以下の品々がカラー写真付きで紹介されています。小説ではないので、順番に読む必要はありません。目についたところ、気になるところから読んでいきましょう。
  1. アレクサンドロスの顔が刻まれた硬貨
  2. アショーカの石柱
  3. ロゼッタストーン
  4. 漢代の中国の漆器
  5. アウグストゥスの頭部像
  6. ウォレン・カップ
  7. 北米のカワウソのパイプ
  8. 球技に使われる儀式用ベルト
  9. 女史箴図
  10. ホクスンの銀製胡椒入れ
  11. ガンダーラの仏坐像
  12. クマーラグプタ1世の金貨
  13. シャープール2世の絵皿
  14. ヒントン・セントメアリーのモザイク画
  15. アラビアのブロンズの手
  16. アブド・アルマリクの金貨
  17. サットン・フーの兜
  18. モチェの戦士の壷
  19. 新羅の屋根瓦
  20. 蚕種西漸図
  21. 放血するマヤ王妃のレリーフ
  22. ハレム宮の壁画の断片
  23. ロタール・クリスタル
  24. ターラー像
  25. 唐の副葬品
  26. ヴァイキングのお宝
  27. ヘドウィグ・ビーカー
  28. 日本の銅鏡
  29. ボロブドゥールの仏像頭部
  30. キルワの陶片
  31. ルイス島のチェス駒
  32. ヘブライのアストロラーベ
  33. イフェの頭像
  34. デイヴィッドの花瓶
  35. タイノ族儀式用の椅子

ざっと見渡すと、まず気になるのが「33. ロゼッタストーン」。大英博物館でもミイラに次ぐ人気展示のようですが、あまりパッとしない石だというのです。しかも、その内容は「ほとんどが税金の軽減に関するお役所言葉の羅列」で無味乾燥だとか。歴史の教科書には、もっともらしく解説してありましたが、それこそ無味乾燥で「平たく言えば」という本書のユーモア精神を見習ってほしい。

次に、2007年にイギリスで発見された「56. ヴァイキングのお宝」。男の子としてはそそられます。(笑)

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そして「58. 日本の銅鏡」。解説によると「鏡は悪霊を祓うための道具であると同時に悪霊を引き寄せることもある。だから日本では鏡を使わないときにカバーをかけておくのだ」と。へぇ、そうだったのか。外国の人に日本の歴史を教えられるとは。

お勧め度:★★★★☆


2013年3月18日 (月)

100のモノが語る世界の歴史1: 文明の誕生 (ニール マクレガー)

大英博物館の収蔵品の中から、あらゆる時代、あらゆる地域を網羅する100点を厳選し紹介するシリーズ。BBCの特集を本(日本語版は全3巻)にまとめたものらしい。

ホルネジュイテフとか、オルドゥヴァイ、クローヴィスなど、耳慣れないカタカナばかりだけれど、文章を読み始めると(自分でも意外なことに)のめり込んでしまうのです。
  1. ホルネジュイテフのミイラ
  2. オルドゥヴァイの石のチョッピングトゥール
  3. オルドゥヴァイの手斧
  4. 泳ぐトナカイ
  5. クローヴィス尖頭器
  6. 鳥をかたどった乳棒
  7. アインサクリの恋人たちの小像
  8. エジプトの牛の粘土模型
  9. マヤ族に伝わるトウモロコシの神の像
  10. 縄文の壷
  11. デン王のサンダルラベル
  12. ウルのスタンダード
  13. インダスの印章
  14. ヒスイの斧
  15. 初期の書字板
  16. フラッドタブレット〜洪水を語る粘土板
  17. リンド数学パピルス
  18. ミノアの雄牛跳び
  19. モールドの黄金のケープ
  20. ラムセス二世像
  21. ラキシュのレリーフ
  22. タハルコのスフィンクス
  23. 中国の周の祭器
  24. パラカスの布
  25. クロイソスの金貨
  26. オクソスの二輪馬車の模型
  27. パルテノンの彫刻〜ケンタウロスとラピテース族
  28. バス—ユッツのフラゴン
  29. オルメカの石の仮面
  30. 中国の銅鈴

大英博物館の収蔵品には、考古学だけでなく、文学、宗教学、文化人類学など、多くの分野の研究者が興味を持っていることがわかりました。

カラー写真がついているので、興味をもったところだけ拾い読みしても、博物館をブラブラしている感覚で楽しめると思います。

お勧め度:★★★★★


2013年3月16日 (土)

[iPad mini] テキストアドベンチャーゲーム BRONZE (frotz)

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インタラクティブ・フィクション(テキストアドベンチャーゲーム)というのは、今時ごく一部のマニアのものだと思っていたら、意外に愛好者がいるようで「Interactive Fiction Wiki」というサイトもあります。

さて、frotz の Story list からミステリー「9:05」、ホラー「The Act of Misdirection」、ファンタジー「BALANCES」に続いて、再びファンタジーの「BRONZE」を選びました。これはフランスの民話「ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)」(「美女と野獣」の原作)を下敷きにしたお話。娘が、父親を見舞うため1週間里帰りしたのち、城に戻ってきたところから始まります。当面の目的は野獣を見つけることです。

BRONZEの特長のひとつが画面上部のステータス行にあります。探索した「部屋数」と、進むことができる方角を示す「コンパス」が表示されるのです。部屋数はゲームの進捗の目安になりますし、コンパスは東西南北(EWSN)が、行ったことがある(白)か行ったことがない(赤)かが文字色で区別されて便利です。

ゲーム開始時"Have you played interactive fiction before?"という質問にNoと答えると初心者モードになって、コマンド入力解説や、コマンド対象物を太字で表示してくれたりします。慣れれば NOVICE MODE OFF で通常モードに戻すことができます。また、一度行った場所へはGO TO ROSE GARDENといったコマンド一発で移動できるのは助かります。

と、親切な反面、ゲームはむずかしい。ひとつは英語が難解なこと。もうひとつは移動できる範囲が広がるほど解き方がわかりにくくなること。主人公(娘)は魔法使いではないのですが、そこは魔法の城ですから、魔法のアイテムがたくさんあります。その中に(ゲームタイトルの)ブロンズの鐘もあるのです。それらをどこで、どういう順番で、どう使うのか。ひたすら試行錯誤することになります。

散々悩んで55部屋すべて回ったものの、納得するエンディングにはたどり着けません。ディズニーの「美女と野獣」のイメージにつられて飛び込むと苦労するかもしれません。

お勧め度:★★★☆☆

2013年3月14日 (木)

[iPad mini] テキストアドベンチャーゲーム BALANCES (frotz)

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frotzの「9:05」「The Act of Misdirection」に続いて、どれをプレイしようかと、Story list の上から順に見ていくと、ホラーなど怖そうなのが多い。怖くないのがいいんだけど…と、ファンタジー(魔法の世界)の「BALANCES」にしました。

ついタイトルの意味を考えてしまいます。バランスが大事? また、各話には、CDジャケットのような画像がついていて、本作はカメの写真。これはどういう意味?(たぶん、あとでわかるのでしょう)

これはInfocomの"Enchanter","Sorcerer","Spellbreaker"魔法使い三部作の非公式な続編だとか。ちなみに、frotzというのは三部作に出てくる、灯りをともす呪文です。ZORK以来の伝統として、暗闇をウロウロしていると怪物に喰われるので、灯りは不可欠です。

Infocomをご存知ない方は、呪文の使い方で戸惑うかもしれません。自分のSpell Bookにいくつかの呪文が載っているのですが、呪文を使うには暗記しなければなりません。最初から暗記しているのは gnusto のみ。たとえば、Spell Book の rezrovという呪文を使うには、まず Learn rezrovしてから rezrov box というように使います。文法的には、Learn することで呪文名が他動詞になるわけです。

最初、呪文書に書かれている呪文は次の4つ。
  1. gnusto(巻物の呪文を自分の呪文書に写す)
  2. frotz(物体を発光させる)
  3. yomin(心を探る)
  4. rezrov(魔法で閉じられた物体を開ける)

寂れた小屋からスタートして、草原や山、崖、洞窟など、その場の風景や様子を想像しながら、なにをすべきか考える感覚が「Infocomってこうだったなぁ」と懐かしい。凝った英単語を使われると意味がわからず、翻訳サイトでチェックしながらになるので、結構手間がかかります。でも、冒険を続けるには正確な意味を知る必要がある。だから調べるのは苦になりません。昔は辞書を引きつつ、今は翻訳サイトで検索。時代は変われど、やっていることは変わらない、か。

危険な呪文もあって「これをやったら死ぬだろうな」と思うことをやったら「You have died.」という馬鹿も楽しい。Infocomの魅力は Sense of Wonder。ビックリが詰まっています。カメが○○するなんて、ビックリしたなぁ。

お勧め度:★★★★★

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2013年3月12日 (火)

[iPad mini] テキストアドベンチャーゲーム The Act of Misdirection (Frotz)

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Frotzというインタラクティブ・フィクション(テキストアドベンチャーゲーム)用インタープリタに収録されている25のゲームのうち2番目のシナリオ。

1896年6月23日、ロンドンの劇場の舞台に立っている偉大なマジシャン、それがあなた。黒いジャケットを着て、シルクハットをかぶり、白いハンカチーフを持っています。そばには小さなテーブルがひとつあるだけ。まばゆい照明に照らされ、観客はあなたを一心に見つめています。

ふつうの小説(フィクション)であれば読み進めるだけでページを繰ることができますが、双方向小説(インタラクティブ・フィクション)は、読者が働きかけないと読み進めることができません。

「9:05」同様、最初は自分がどこの誰で、どういう状況に置かれているのかわかりません。まるで記憶喪失状態。ですから、まず自分自身の服装や様子を観察(EXAMINE)し、持ち物を調べ(INVENTORYコマンド、Iと省略可)周囲の状況を見て(LOOK)、なにをすべきか、なにができるか考えます。というか、いろいろコマンドを打ち込んで試行錯誤するのです。

観客はあなたのマジックを期待しています。テーブルがあって、シルクハットとハンカチーフと来れば…。わかりますよね?

ひとりの観客に舞台に上がってもらい、1組のトランプから1枚選んで(わたし以外の)他の観客に見せてもらいます。そのトランプは記念に進呈し、席に戻っていただき、さて、選ばれたカードをどうやって言い当てるのか。

手品が一体どういう仕掛けになっているのか悩むのではなく、どうやって手品をすればいいか悩まなければならないなんて。このマジシャンは手品のやり方を忘れているので仕方ありません。なんだか妙なことになってしまいましたが、おかしな状況を楽しむのもインタラクティブ・フィクションの醍醐味。

さて、次の出し物は…。

お勧め度:★★★★☆

The Act of Misdirectionをブラウザでプレイすることができるので、興味のある方はどうぞ。(ただしSaveは1カ所しかできません)

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2013年3月10日 (日)

[iPad mini] テキストアドベンチャーゲーム frotz

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正確には、frotzはテキストアドベンチャーゲーム用インタープリタ。つまり、ゲームデータを再生するためのアプリ。frotz には標準で25のゲームデータが収められています。画面左上の[story list] ボタンをクリックすると写真2枚目のように一覧が表示されます。その中から1番上の「9:05」を選んでみました。

iPad mini のソフトキーボードではコマンド入力しづらいので、Bluetoothキーボード(写真1枚目)を使います。キートップが小さいのは同じだけど、まだこちらのほうが打ちやすい。(本当はフルサイズの折りたたみ式Bluetoothキーボードが欲しい)

ただ、TAKE WALLETであれば、画面に表示された文章からWALLETという単語をダブルタップすればコマンドラインにコピーされるので、上手に使って手間を省きましょう。

英語のテキストアドベンチャーですから、LOOKコマンドで周囲の状況を把握して、ベッドから出たいなら GET OFF BED とか STAND、南側のバスルームに行きたいなら GO SOUTH か、単に SOUTH(S と省略可)。シャワーを浴びるなら TAKE SHOWER なのだけど、その前に服を脱げとか、持ち物は置くべきだとか、あぁ五月蝿い!

でも、なんだかこの感じ、懐かしい。そう、ZORKの世界です。基本的に論理が支配する世界。シャワーを浴びたいなら服を脱ぐのは当然です。ただ、それも程度問題で、あまり手間がかかるとうんざりしてしまうので、ユーモアを交えながらストーリーを進められるように配慮されている、はずです。

クルマに乗って勤務先の会社に向かうと…え〜、なにそれ!?

RESTARTコマンドで最初からやり直すと、実は最初からとんでもない状況にあることが判明。さて、どうしたものか…。

アドベンチャーゲームといってもショートストーリーなので、手順がわかってしまえば時間はかかりません。何度もやり直してみたもののハッピーエンドが来ません。そりゃそうか、当面これがいちばんマシな結末か。Infocom にはなかった類いの、不思議なストーリーです。

story list のいちばん最後にはZORK (M.I.T. Version)もあります。「いまさらテキストアドベンチャーなんて」という方がほとんどでしょうけれど、アニメと小説にはそれぞれ良いところがあるわけで、テキストだから想像力を働かせなければならないのが逆に面白いと思うのです。(見ようとしなければ決して見えないのです。)

興味のある方はぜひ一度お試しください。無料です。

お勧め度:★★★★★

Frotz App
カテゴリ: ゲーム
価格: 無料

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2013年3月 8日 (金)

砂の女 (安部 公房)

ひと言でいえば、アリ地獄。

今時ありえない設定ではありますが、やけにリアルなのです。ただ、砂地に棲むハンミョウの新種を発見し、自分の名前をつけるのが目的だという男。そもそも現実世界から逃避しているようにも見えます。

「常識」というのは習慣、あるいは慣れなのだと気づかされます。馴らされてしまえば常識なんて変わってしまう。異常と正常が紙一重の世界。

「砂に埋もれてしまうような家は捨てて他所に引っ越せばいいのに」と男は言います。まさに正論。わたしもそう思います。しかし、女にとってはそこが我が家であり、自分の棲む場所なのです。男は砂地に棲む女を発見し、逆に捕まってしまったわけです。

普段エンターテイメント小説を好んで読むのですが、それらは流れに身を任せてストーリーを楽しむもの。一方『砂の女』のような小説は、単に与えられるものを受け取るのではなく、読者として、どこでなにを思ったか、どう感じたかが大事。自分なりの理解でいいし、理解できなければ読み直せばいい、と思うのです。

お勧め度:★★★☆☆

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2013年3月 6日 (水)

忘れられた日本人 (宮本 常一)

『日本の歴史をよみなおす』 (網野 善彦)で本書名が出てきたので図書館で借りてみました。日本全国を歩いて民間伝承を書き残した民俗学者の本です。逆に、網野 善彦が本書の影響を受けて「日本の歴史をよみなおす」ことになった背景がわかります。
  1. 対馬にて
  2. 村の寄りあい
  3. 名倉談義
  4. 子供をさがす
  5. 女の仲間
  6. 土佐源氏
  7. 土佐寺川夜話
  8. 梶田富五郎翁
  9. 私の祖父
  10. 世間師 (1)
  11. 世間師 (2)
  12. 文字をもつ伝承者 (1)
  13. 文字をもつ伝承者 (2)

明治40年(1907年)生まれの著者なので、江戸時代から明治、大正、昭和までが含まれています。明治時代には、江戸時代がまだ「ついこの間」だったのだということが感じられて新鮮です。

お勧め度:★★☆☆☆


2013年3月 5日 (火)

日本の歴史をよみなおす (全) (網野 善彦)

『日本の歴史をよみなおす』という書名からは内容が想像できなかったのですが「はじめに」の4ページを読んで著者の狙いはわかりました。現代の町や村の原型を歴史に求めると、それは南北朝時代以降に顕著になるというのです。そこで14世紀前後の日本を歴史学のみならず経済学、政治学、考古学、民俗学的な観点からも見直してみようという本です。
  1. 文字について
  2. 貨幣と商業・金融
  3. 畏怖と賤視
  4. 女性をめぐって
  5. 天皇と「日本」の国号
  6. 日本の社会は農業社会か
  7. 海からみた日本列島
  8. 荘園・公領の世界
  9. 悪党・海賊と商人・金融業者
  10. 日本の社会を考えなおす

学校で習う、時系列な歴史とは切り口が異なり、非常に興味深い。大学だけでなく、高校でもこんな授業を受けたかった。ここで解説された全内容について納得できたわけではありませんが、いつかまたじっくり「よみなおして」みたいと思います。

お勧め度:★★★★☆


2013年3月 4日 (月)

上と外 6 みんなの国 (恩田 陸)

練が14歳だなんて信じられない。日本の中学生がぽんとジャングルに放り出されたら1週間も生きていられないと思う。もし本当にこんな修羅場を14歳がくぐり抜けたとしたらたいした人物になることでしょう。

タイトルの『上と外』というのは、地下に閉じ込められた練と千華子が心から望んだ場所なのではないでしょうか。それこそ、エレベーターのボタンを押すように、上に行きたい、外に出たい、と。

練と千華子には「よく生き延びた。えらい!」と褒めてあげたいけれど、千鶴子をはじめ大人たちは猛省したほうがいい。終わりよければすべて良し、みたいな予定調和はつまらない。中高生向き、かな。

お勧め度:★★★☆☆

2013年3月 3日 (日)

上と外 5 楔が抜ける時 (恩田 陸)

サブタイトルの「楔が抜ける時」の楔とは何なのか。楔が抜けたら何が起きるのか。ずっとそれを気にしながら読みました。練と千華子は絶体絶命のピンチに陥っても死ぬはずはありません、たぶん。

両親はヘリコプターで上空からジャングルを捜索しますが、果たしてふたりを見つけることができるのでしょうか。そして練の「成人式」の行方は?

これは「家族の物語」だと1巻のレビューに書きましたが、正確には家族と民族の物語です。

お勧め度:★★★☆☆

2013年3月 2日 (土)

上と外 4 神々と死者の迷宮 (恩田 陸)

練と千華子を監視していたのはニコという少年。彼が片言の日本語を話すところによると、世界から12人が成人の儀式に参加することになっていたのだが、ひとり足りない。だから練が参加しなければならない。拒めば千華子の命はない、と。なんて自分勝手な奴。卑怯者!と罵っても仕方ありません。儀式というのは「王」を相手に3日間生き延びること。もちろん倒してもいい。ただし、素手で。そうすれば一躍英雄だと。まさか「王」って百獣の…!? 中米のジャングルにはいないよね。その代わり…え、そうなの?

結構本格的な冒険譚なのに、タイトルがいまいち。『上と外』には意味があるのだと思いたい。最後に明らかになる、かな?

お勧め度:★★★☆☆

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