« [iPad mini] ファイルリーダー GoodReader for iPad | トップページ | 犯人に告ぐ (下) (雫井 脩介) »

2013年2月 5日 (火)

犯人に告ぐ (上) (雫井 脩介)

2ヶ月間に4人の児童が犠牲となった事件が未解決のまま1年近く経ったとき、神奈川県警は巻島史彦警視をテレビニュースに出演させ、市民から広く情報を集めるという名目で犯人からの接触を待つ、劇場型捜査に打って出た。

巻島は、過去に児童誘拐事件で犯人を取り逃がし、誘拐された子供も殺されてしまう失態を犯しています。その様子は、わたしがかつて自然気胸で入院したとき、担当医はいかにも「型通りの治療をしてます。なにか問題でも?」という対応で、じつにあっさりした態度だったことを思い出させました。医師も警察官も型通りの、無難な対応をしていれば、問題が起きても責任を追求されないだろうという意識が働くのでしょうか。患者や被害者の親族は人間なのだという意識が薄いと非常に傷つきますし信頼できません。

脱線しましたが、巻島はそういう警察官だったのです。その6年後、特別捜査官として現場の指揮を任された彼は、夜のニュース番組に出演します。世間の注目を呼び起こすことには成功したようですが、果たして有力な手掛かりを得ることはできるのでしょうか。

というのが前巻。中盤で「あぁ、次に誘拐されるのはこの子なのか」と暗い気分になりました。警察官というのも因果な商売です。真摯に勤めていても感謝されるばかりじゃない。それでも犯罪に堂々と立ち向かえるのは警察だけ。この物語の最後には拳を握りしめて「よし!」と言いたい。負けるな、巻島!

お勧め度:★★★★☆

« [iPad mini] ファイルリーダー GoodReader for iPad | トップページ | 犯人に告ぐ (下) (雫井 脩介) »

現代小説」カテゴリの記事