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2013年1月18日 (金)

竜馬がゆく 6 (司馬遼太郎)

いよいよ物語も佳境に差し掛かります。竜馬の奔走により、薩摩の西郷と長州の桂が密かに薩長同盟会談をもったのですが、両者とも自ら同盟を切り出そうとはせず物別れに。後刻、竜馬が桂から聞いたのは「長州に帰ります。長州が幕府に滅ぼされようとも勤王の志を薩摩が継いでくれるならそれでよい」。怒った竜馬は即座に西郷を訪ねて「長州が可哀相ではないか」。
  1. 戦雲
  2. 薩摩行
  3. 希望
  4. 三都往来
  5. 秘密同盟
  6. 伏見寺田屋
  7. 霧島山
  8. 蒼い海
  9. 海戦

「このひとことの不思議さを書こうとして、筆者は、三千枚近くの枚数をついやしてきたように思われる。事の成るならぬは、それを言う人間による、ということを、この若者によって筆者は考えようとした。」

薩摩藩士、長州藩士の立場を変えない西郷と桂に対して、竜馬は土佐藩を脱藩した浪人。だからこそ「ニッポン」という国を見据えて人を動かすことができたのでしょう。薩長会談に合わせて京に入ろうとした竜馬を新撰組をはじめ幕府の捕方が待ち構えていました。その警備状況を知ろうと、竜馬は大坂城代屋敷の大久保一翁を堂々と訪ねます。おまけに、これもお尋ね者の長州藩士を伴って。指名手配犯が警察庁の幹部を訪ねるようなもの。一翁の動揺が可笑しい。

精神的な尊王はいいけれど、行動的な勤王は危ない。意地や恥といった「義」によって志士たちは簡単に死を選びます。命がひどく軽いのです。その精神は大日本帝国陸軍に引き継がれ、太平洋戦争で多くの犠牲者を出すに至ったのです。江戸時代は過ぎ去った過去ではなく、現在ともどこかでつながっているのです。

お勧め度:★★★★☆


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