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2012年12月15日 (土)

雷桜 (宇江佐真理)

江戸から西へ3日ほどの距離にある瀬田村の領有権をめぐり対立する島中藩と岩本藩。瀬田村の庄屋・瀬田助左衛門のふたりの息子の下に生まれた娘・遊が攫われてしまう。岩本藩の差し金かと思われるが証拠はない。隠れ潜んでいるとしたら瀬田山しかないが、そこは迂闊に足を踏み入れると遭難する恐れがある。両親も兄弟も「遊はきっと生きている」と信じて15年。遊は忍びの心得のある男を父と信じて育てられ、その父が失踪したため瀬田家を訪ねてきたのだが…。

遊が攫われた晩に瀬田山の銀杏に雷が落ち、そこから桜が芽吹いたところから「雷桜」と呼ばれるようになったとか。遊は「雷」(らい)という名で育てられたこともあって、それは「遊の桜」でもあるのです。とにかく瀬田山の風景の描写が美しい。また「男姉様」と呼ばれる、およそ女らしくない遊が出会った殿方との愛も純粋で美しい。恋愛小説がお好きな女性にお勧めです。

お勧め度:★★★☆☆

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