ガニメデの優しい巨人 (ジェイムズ・P・ホーガン)
『星を継ぐもの』に続く第2弾。次巻『巨人たちの星』と三部作になっています。前作で、月面で約5万年前の人類(ルナリアン)が発見され、木星の衛星ガニメデでは巨大な宇宙船が発見され、調査のためにハントが派遣されたのでした。 5万年前の太陽系には惑星ミネルバが存在し、月はその衛星だったのが、ルナリアン内部の戦争でミネルバが吹っ飛び、月は地球の引力に捕まり、そのとき月にいた生き残りが人類の祖先だというわけです。一度、星を吹き飛ばした人類の子孫だとすると、地球でも戦争が絶えないのは頷けます。 タイトルどおり、ガニメアンは他者を憎むとか恨むとか、争うことを知りません。戦争なんて考えも及ばないのです。ガニメアンが草食動物ならば、人類は肉食動物。ガニメアンが人類に対して警戒するのは当然ですが、科学技術力は月とスッポン。人類は太刀打ちできません。 で、今回はガニメデに突然、ガニメアンの宇宙船が戻ってきたのです。本人たちにとっては20数年なのですが、実際には2500万年経っていたというスケールの大きな話です。 そう、未知との遭遇です。なにやら話が混みいっていて読みやすくはないのですが、それでも読者を飽きさせず「ふむふむ、なるほど、で?」と読ませてしまうところがすごい。面白いSFをお探しなら本シリーズは一押し! お勧め度:★★★★☆ |
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