« うさぎパン (瀧羽麻子) | トップページ | 風の市兵衛 (辻堂魁) »

2012年10月25日 (木)

風待ちの人 (伊吹有喜)

『四十九日のレシピ』の作者の本の中から1冊手に取ってみました。

39歳、アラフォーの男と女が出会うところから始まります。エリート銀行員の男が心を病むことがなければ、出会うことのなかった女、それがペコちゃん。キンコとも呼ばれてる。

舞台は海辺の町。和歌山か三重か。買い物に「松阪まで出ようか」という話が出るくらいだから尾鷲あたり?

会社を6週間休んで、休養を兼ね、亡くなった母親の家を(処分するまえに)整理しようと美鷲にやってきた哲司。ファーストフードを買い出しにクルマで出かけた帰りに、ひょんなことから、妙なオバチャン(喜美子)を拾ったのです。彼女は世話好きというか、おせっかいな性格らしく、家の片付けを気にするのです。庭の手入れをする代わりにクラシック音楽を教えてほしいという彼女。

家庭を失いかけている男と、家族を亡くした女。なかなかヘビーな話です。でも、病んだ心を抱えながらも、人のぬくもりに触れることで、すこしずつ癒されていき、つぎの一歩を踏み出そうとする。

がむしゃらに頑張ってきて、気がついたら心を折れそうになっている大人に読んでほしい。

お勧め度:★★★★☆

« うさぎパン (瀧羽麻子) | トップページ | 風の市兵衛 (辻堂魁) »

現代小説」カテゴリの記事