« 神様のメモ帳 8 (杉井光) | トップページ | 僕とおじいちゃんと魔法の塔 1 (香月日輪) »

2012年9月23日 (日)

タラ・ダンカン 9 黒い女王 (上・下) (ソフィー・オドゥワン・マミコニアン)


タラの母・セレナを愛するマジスターは、死んでしまったセレナを蘇らせるため、悪魔の宝を手に入れようとし、一方のタラは、セレナはあの世で父を幸福に過ごしているのだから復活には反対、マジスターを阻止すべく「魔法ギャング団」の仲間たちと行動を開始するのですが…。例によって物事はスムーズには運ばないのです。だから面白いのですが。

エルフの女王のタラ評は的確なもの。「そこつな娘」。(笑)

正義感と鼻っ柱が強く、強烈な魔力を秘めているのですが、運が悪いのか、宿命なのか、タラの魔法はしばしば暴走し、とんでもない災厄をもたらすのです。今回は、タラの体内に入り込んだ「黒い女王」との対決編。

しかし、この9巻にはいまひとつ入り込むことができません。いまに始まったことではありませんが、極悪人マジスターのやることがあまりに子供じみているのです。いえ、やることは「世界がどうなろうと知ったことか」という態度ですから、十分ひどいのですが、その目的が「わたしを癒してくれるセレナを生き返らせたい」では、単なるわがままです。そもそも「魔法ギャング団」も子供たちの集まりですから、マジスターくらいでバランスが取れているということでしょうか。

今回、興味深かったのが、タラの男性の好み。頭の悪い男は嫌いみたいなのです。頭といっても勉強ができる云々ではなく、頭の回転とか知恵の話。その場の雰囲気で流されてしまいそうで危なっかしかったのですが、男を見る眼もできてきたようで安心しました。

登場人物にとって深刻な問題も、笑い飛ばすことができる軽妙さが「タラ・ダンカン」の持ち味。死んでも生き返ることができるのですから、なんとでもなります。『魔法の国ザンス』とはまったく毛色が異なりますが、ユーモア・ファンタジーだと思えばよいのかもしれません。

今回もタラはラストでとんでもない事態に陥ります。10巻が最終巻だったはず。タラたちは果たして大団円を迎えられるのでしょうか。

お勧め度:★★★★☆

« 神様のメモ帳 8 (杉井光) | トップページ | 僕とおじいちゃんと魔法の塔 1 (香月日輪) »

SF/ファンタジー」カテゴリの記事