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2012年6月11日 (月)

丸太町ルヴォワール (円居 挽)

                         
舞台が京都だということで興味をもって、講談社BOXなので西尾維新の作品(『化物語』など)と似ているのかと思ったら、凝った言葉遊びが散りばめてあるという点はおなじでした。主人公は城坂論語。15歳のとき、病院長である祖父を殺した嫌疑をかけられたけれど、父と叔父は自然死として処理。その日、忍び込んできた自称”ルージュ”という女と丁々発止の甘い時間(なんだそりゃ?)を過ごした「論語」は、3年後、ふたたびルージュに会うために私的裁判「双龍会」の開催を企てたのです。
      
      作者が京大出身だということもあってか、登場人物にも京大生が多い。作中で「京大生にとっての京都とは左京区だけ」とあるのは、森見登美彦の小説を読んでも頷けます。吉田山と百万遍と哲学の道で完結してます。そして京大生は(長男を含めて)頭はいいけど変わった人が多い。この小説も、法律よりも、論理、文学、麻雀、将棋という香辛料が効いています。
      
      さて、主人公の論語は自分を指してこう言っています。
      
      「ぼくを誰だと思ってるんですか。この世に生を受け十と八と少し、言の偏と共に歩んできた、類稀なる語理論理の申し子、言吹きの論語ですよ。こんな泥沼の場だって、言の葉を吹いて寿と為して見せましょう」
      
      ね、芝居がかってるでしょう。「双龍会」というのは、観客がいて、検事役と弁護役の「龍師」という役者がいて、真実を暴くよりも、その場の状況に応じて筋道の通った主張で観客を納得させ、楽しませることが大事な芝居なのです。だから、嘘もブラフも証拠ねつ造も、バレなければなんでもアリ!
      
      1ページ2段組みで300ページ近くをじっくり読ませてもらいました。斜め読みしたのでは、筋がわからなくなるし、面白くないから。前半、ちょっと退屈だと思っても我慢してください。後半、三大祭りに、大三元に、どんでん返しが続いて目眩がしてきます。
      
      トドメは、論語のラストのひと言。なんて、めんどくさい奴なんだ!
      
      お勧め度:★★★★★

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