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2012年5月19日 (土)

壬生義士伝 (上) (浅田次郎)

浅田次郎の『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』『マンチュリアン・リポート』までの中国歴史シリーズを読み終えて「今度は日本だ!」と勇んで手に取ったものの…。

『蒼穹の昴』は西太后、『中原の虹』は張作霖というように『壬生義士伝』では新撰組の吉村貫一郎を描きます。食い詰めて南部藩を脱藩し「壬生浪」と呼ばれていた新撰組に入隊。読み書きもできるし、剣の腕も確か。盛岡の妻子への仕送りのためには守銭奴にもなる男。

『蒼穹の昴』同様、冒頭の数ページで読むのをやめようかと思いました。いきなり目を背けたくなるような悲惨な状況から始めるのはどうかやめてほしい。鳥羽伏見の戦いで破れ、満身創痍で南部藩の屋敷に転がり込んで命乞いするのですが、脱藩者がなにを今更。「腹を切れ」と刀を渡されます。「どうなっちゃうんだろう」と思ったら場面転換。後年べつの隊士やら吉村の教え子やらから話を聞いていくのです。『珍后の井戸』の独白パターンに似ています。

関係者の証言から、当時の世相や新撰組の有り様を含めて吉村貫一郎を描き出そうとするのですが、上巻の途中で力尽きてしまいました。そもそも新撰組には「やぶれかぶれの人殺し集団」という偏見を持ってまして、それでもひとりひとりには事情やら思いがあっただろうと読もうとしたのですがだめでした。(残念)

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