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2012年5月29日 (火)

天切り松 闇がたり〜闇の花道 (浅田次郎)

「プリズンホテル」「きんぴか」の浅田次郎の悪漢小説「天切り松 闇がたり」シリーズ第1弾。大正6年の東京、主人公の松蔵は父親に連れられ、抜弁天の安吉親分に弟子入りしたのですが、そこは仕立屋銀次の配下、盗人一味なのでした。70年後の松蔵が留置場で語り聞かせる、粋な江戸っ子盗賊たちの活躍。
  1. 闇の花道
  2. 槍の小輔
  3. 百万石の甍
  4. 白縫華魁
  5. 衣紋坂から

町方じゃなくて警察に変わっても、盗っ人たちは装束から心情、言葉遣いまで江戸時代そのまま。大正時代にはまだ江戸時代生まれが現役だったのだと気づいて驚きます。「天切り」とは屋根瓦を外し天井を抜いて忍び込む高度な技。盗んだ金は貧乏人に配ってしまう義賊なので、欲で動くことはありません。いちばんかっこよかったのは2話。元老・山形有朋の金時計を掏摸とるおこん姐さんの心意気に痺れます。まさに、読む講談です。

やくざも泥棒も決して好きではないのに「かっこいい!」と思ってしまうのは日本人の血なのか、浅田次郎の術中にあるのか。これは子供の読み物ではありません。大人のためのファンタジーです。

お勧め度:★★★★★

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