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2012年5月 3日 (木)

蒼穹の昴 4 (浅田次郎)

光緒帝の変法維新が始まるも、あまりに性急な改革に王宮内も大混乱。西太后暗殺未遂事件をきっかけに帝派は粛正されてしまう。死を覚悟した文秀を、なんとかして国外へ逃そうとする人たち。西太后の胸のうちを知る春児の苦衷。物語はクライマックスへと向かいます。

天子の印「龍玉」はどうなったのか気になっていたのです。牢獄から逃げ出した王威はぼろぼろになって路傍に転がってました。「龍玉」を守る天命はどこに行ったのかと思ったら、その玉は人の子だったのです!

最後に文秀が自らの過ちに気づいたときの科白が印象的。「孔子の言った忠と悌との原理を、僕はそのとき知った。そして尊い書経の訓えを何ひとつ理解せず、ただ丸暗記をして科挙に登第した僕ら士大夫が政治を語り始めたとき、国家は自ら衰亡の道をたどったのだということも。」 これは日本の高級官僚にも当てはまる話ではないでしょうか。

1900年の義和団事件、1911年の辛亥革命と続く清朝崩壊の直前で物語は終わります。唐突なようで、予感していたエンディング。春児は宝を手に入れます。

お勧め度:★★★★★

『蒼穹の昴』の続編に『珍妃の井戸』がありますが、これはミステリー仕立ての番外編。続編ではありませんが、同路線の『中原の虹』では「龍玉」を手に入れた張作霖が描かれます。そうそう、春児の兄・春雷も登場します。1928年の張作霖爆殺事件を描いた『マンチュリアン・リポート』もあるので、まだしばらく楽しめそうです。

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