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2012年5月 9日 (水)

中原の虹 1 (浅田次郎)

『蒼穹の昴』の続編ですが、清朝末期という時代は被っていても、場所は万里の長城の外側、満州です。馬賊の頭目・張作霖が勢力を伸ばし、ついには中国皇帝の証である龍玉を手に入れ、幼い息子・張学良に委ねます。

満州馬賊たちの口調はまるで『天切り松 闇がたり』(浅田次郎)の中国版。どちらも盗人だけど、どちらも義賊ということでしょうか。馬を駆って大口径のピストルを撃ちまくる馬賊は、臆病者は仲間でも撃ち殺す残忍な連中。本来ならば政府が取り締まるべき相手なのに、軍隊でも勝てないかもしれないものだから、逆に帰順させて利用しようとします。一方、列強諸国は軍事力を背景に中国の植民地化を狙う。強い者が勝つ、力こそ正義という時代の物語です。

軍隊の大佐なんかより馬賊の頭目のほうがずっと存在感があってかっこいい。『蒼穹の昴』の登場人物も顔を出したりするので、それも楽しみのひとつ。人物紹介や背景説明が長くて退屈な場面が増えたけれど、読み応え十分。『蒼穹の昴』を楽しめた方は是非!

お勧め度:★★★★★

余談ですが、李 鴻章が献上した蒸気機関車を、西太后は見ようともせずに丸ごと土に埋めたとか。2011年7月23日に起きた中国高速鉄道事故後、事故車両を穴を掘って埋めたというのは「見たくない列車は埋める」という中国の伝統なのでしょうか。

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