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2012年3月25日 (日)

ちんぷんかん (畠中恵)

「しゃばけ」シリーズ第6弾は、以下の5編を収めてあります。
  1. 鬼と小鬼
  2. ちんぷんかん
  3. 男ぶり
  4. 今昔
  5. はるがいくよ

1話は、長崎屋が火事に巻き込まれ、煙を吸い込んだ若だんなは気がつくと三途の川にいた。2話は、上野広徳寺の寛朝僧都の弟子となった秋英は、和算指南の阿波六右衛門から無理難題を持ち込まれ…。3話は、若だんなの母おたえの若い頃の恋話。4話は、若だんなの兄・松之助に米問屋玉乃屋の娘との縁談が持ち込まれるのだが姉妹の取り違えがあったようで…。5話は、桜の古木が花を咲かせる頃、長崎屋に赤ん坊が届けられ若だんなと妖たちは大騒ぎ。しかし、その赤ん坊は日に日に成長し数日のうちに若だんなと同い年くらいの娘になってしまった。

「若だんながついにあの世に行っちゃった!?」という帯に驚いたのですが、宮部みゆきの「あかんべえ」のように、本当に死んだわけではなく賽の河原に迷い込んだだけのようです。この6巻では若だんなが妖たちとあの世を大冒険するのかと思ったら1話だけであっさり帰ってきちゃいました。

今回気に入ったのは5話の「はるがいくよ」。桜の花びらの精・小紅がいじらしく、切ない物語です。人の一生に比べると桜花の生涯はあまりに短い。けれど、齢三千年の妖からみれば人の一生もあっけないもの。考えてみれば、屏風でも印籠でも桜でも、本来しゃべることのないものが百年を経て付喪神となり動き話し出すというのは実にファンタジック。江戸時代にはいろんなものが潜んでいたのですね。

お勧め度:★★★★★

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