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2012年3月 1日 (木)

まほろ駅前多田便利軒 (三浦しをん)

まほろ駅前にある便利屋「多田便利軒」。多田の事務所に高校の同級生・行天が転がり込んできた。
  1. 多田便利軒、繁盛中
  2. 行天には、謎がある
  3. 働く車は、満身創痍
  4. 走れ、便利屋
  5. 事実は、ひとつ
  6. あのバス停で、また会おう

まほろ市とは「幻」をもじったもので、いわばユートピア。この物語の場合、東京郊外の街、町田市がモデルになっているらしい。小田急線と国道16号が交差しているから間違いないでしょう。しかし、青線やらヤクの売人やら怪しさ満点。お人好しの多田は、よせばいいのにおせっかいを焼いて、やっかい事に巻き込まれる。そんなとき、便利屋としてはほとんど役に立たない行天の「腕っぷし」が物を言ったりして…三十路男たち、凸凹コンビのおかしな便利屋のお話です。

便利屋に舞い込むのは「それくらい自分でやれ!」と言いたくなる依頼がほとんどのようですが「おかげでオレは仕事がある」と多田は淡々と働きます。犬を預かったら、実は次の飼い主を探す羽目になったり、小学生の息子を塾に迎えに行ったら家庭の事情が透けて見えたり、年老いた母親を代理で見舞う話とか、単なる「仕事」を越えておせっかいを始めるところに人情味があったりするのが魅力です。

お勧め度:★★★★☆


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