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2012年3月27日 (火)

いっちばん (畠中恵)

「しゃばけ」シリーズ第7弾も連作短編集です。
  1. いっちばん
  2. いっぷく
  3. 天狗の使い魔
  4. 餡子は甘いか
  5. ひなのちよがみ

1話は、掏摸だと睨んだ男の証拠が掴めず、日限の親分が「このままでは十手を返上しなけりゃならねえかも」と凹んでいるのを若だんなが力になろうとします。一方、妖たちは若だんなを元気づける品を手に入れようと走り回るのですが…。2話は、西岡屋、小乃屋と長崎屋で品比べをすることになり、若だんなも店の威信を賭けて知恵を絞ります。3話は、管狐の黄唐に会いたい天狗の六鬼坊が、祖母の皮衣に口利きさせようと企んで若だんなを攫ったのですが…。4話は、栄吉が修行に出た老舗菓子屋・安野屋に盗みに入った八助がなぜか雇われてしまい栄吉はおもしろくありません。5話は、薄化粧のお雛は見違えるようにきれいになり、正三郎以外にもうひとり婿候補が現れて…。

今回面白かったのは1話と5話。1話は、ばらばらに動いていた若だんなと妖たちが最後にひとところに集まる展開は秀逸。5話は、お雛と正三郎を心配する若だんなに対して「商売のことはふたりがなんとかすべき」と突き放す手代たちが好対照。人間の価値観とはなにかとズレがある妖たちですが、商売に関して手代たちは正しいようです。

反対に楽しめなかったのが4話。人間の狡猾さと卑屈さが露骨に描かれるのですが、それを中和するのが若だんな。登場人物中、若だんなはいちばん身体が弱いけれど、心はいちばん強いのかもしれません。

お勧め度:★★★★☆

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