トッカン VS 勤労商工会 (高殿 円)
『トッカン〜特別国税調査官』の続編が出ていたので読んでみました。東京の京橋中央税務署の徴収課を舞台にした経済小説+ミステリー。主人公の涼宮深樹は「トッカン」鏡 雅愛の部下となって2年目。相変わらず返答に詰まると「グ…」となるから通称「ぐー子」。 今回は冒頭から首吊り。鏡が滞納金について恫喝したのを苦にしての自殺だと勤労商工会が出てきて国を訴えるという大騒動に。しかし、当の鏡は「なにもするな」といって出張ばかり。ぐー子はひとりで日常業務をこなしつつも鏡の事件が気になって仕方がありません。ぐー子の失敗と活躍が見物です。 勤労商工会の弁護士・吹雪敦がぐー子を挑発する一方、助っ人として変なガイジン二人組が登場します。しかし、ぐー子は他にも仕事があります。バタバタ、くよくよ、めそめそ、開き直り…自分の居場所を探し求めるぐー子の姿がイジらしく共感を呼びます。 「なんかおかしい。怪しいぞ」と思っても、ぐー子はお人好しでスルーしますから、あなたがその人物を追いかけてみてください。 お勧め度:★★★★★ |
今回は季節が夏だからか、始終「あつい、暑い」。作者は夏に書いたのでしょう。読んでいるのが冬だからいいようなものの、夏に読むのはつらいかも。
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