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2012年2月21日 (火)

四十九日のレシピ (伊吹有喜)

後妻の乙美を亡くした良平のところへ、ガングロ19歳、井本がやってきて「乙美先生に四十九日まで家族の世話をするよう頼まれました、バイト料先払いで」。入浴しようとする良平に「背中を流しましょうか」と服を脱ぐ井本。ちょうどそこへひとり娘の百合子が戻ってきました。「お父さん、昼間からなにをしているの?」。掴みが面白くて最後まで一気読み!

良平は妻を亡くし、百合子は夫の不倫に傷つき、どうしようもなく暗くなるところを井本が明るく支えます。井本は、乙美が生前リボンハウスで絵手紙を教えていたときの生徒だというのです。絵手紙だけでなく料理や掃除、洗濯など、生活全般の手ほどきを受けた井本は手際よく家事をこなしていきます。乙美が作ったレシピ(カード)があったのです。

目的は乙美の遺言である「四十九日は(法要ではなく)大宴会をしてほしい」を実行すること。良平は痛んだ屋根や壁を塗り替えようと、井本に「だれか男手を探してきてくれ」と頼みます。やってきたのは古いビートルに乗る日系ブラジル人カルロス。彼は「呼び名をつけてほしい」というので良平は「はるみ」とつけます。

乙美の四十九日までの出来事が描かれるのですが、泣いたり、笑ったり、怒ったり、それぞれの事情で無気力になっていた良平と百合子が、井本とはるみのおかげで立ち直っていきます。そして最後に「え、そうだったの!?」。じーんと来ました。

お勧め度:★★★★★

乙美が亡くなった理由が不明です。井本にバイトを頼んであったということは死期が近いことを知ってた? とすると病気だったのでしょうか。

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