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2012年2月15日 (水)

プリズンホテル 2 秋 (浅田次郎)

第1巻もそうでしたが「あとがき」が面白いんです。「実はわたくし、こと偏屈さにかけましては作中の木戸孝之介氏よりも一枚うわてでございます」って、やっぱり孝之介は作者の分身だったんですね。「途中下車されてしまうお客様も多いと聞き及びます」って、うんうん、わかります。もう孝之介は登場させてくれなくていいんですけど、そうもいかないのだろうなぁ。すみません、勝手なこと言って。でも、楽しませてもらってます。

今回、一泊二日のツアーは「ホテルの外には一歩も出ず、殺人事件も起こらず、幽霊も出ない」んですけど、大曽根一家ご一行様と警視庁青山警察署慰安旅行ご一行様が鉢合わせ。犬猿の仲どころではなく、因縁の仲、仇同士、敵同士。不安でいっぱいの支配人を尻目に、なにやらウキウキしている大番頭さん。救急車を「予約」したい板長とシェフ。

結果として死人が出なかったのは奇蹟。ヤクザと警察って根っこは似てます。大声出して威嚇して、言うこと聞かなきゃ力でねじ伏せる。おなじ拳銃を持ってても片方は合法で、片方は非合法というだけ…?

「プリズンホテル」では、かっこ悪かった人がかっこ良くなって、これまで救われなかった人が救われる。それは客だけでなく従業員も同様です。花沢支配人はこのホテルでこそ本領を発揮でき、息子にも尊敬してもらえる。

では「集金強盗」のその後を次巻で書いてくれると信じて。

お勧め度:★★★★☆

しかし、木戸孝之介は「偏屈」の一言では片付けられません。浅田次郎がつかう「偏屈」という言葉の定義を訊きたいものです。暴力、暴言、粗野、横暴。じつに「やくざ」な奴です。いや、チンピラというべきか。ある意味、仲蔵親分のほうが紳士的です。

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