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2012年1月19日 (木)

空中ブランコ (奥田英朗)

第3弾「町長選挙」、第1弾「イン・ザ・プール」に続いて、この第2弾「空中ブランコ」を読みましたが、とくに不都合はありませんでした。
  1. 空中ブランコ
  2. ハリネズミ
  3. 義父のズラ
  4. ホットコーナー
  5. 女流作家

1話は、うまく飛べない空中ブランコ乗り、2話は尖端恐怖症のヤクザ、3話は義父のカツラを剥がしたくて仕方ない入り婿の医者、4話は1塁への送球恐怖症のベテラン3塁手、5話は、登場人物設定が過去の作品とだぶっていないか気になって仕方ない恋愛小説作家のお話。どれも楽しく読めました。

読者は「傍観者」ですから笑ってられますが、当事者にとっては大問題。しかし、ある意味、大問題だと思っているから神経が参ってしまうわけです。伊良部の「診察」は遊び感覚なので、空中ブランコ、野球選手、小説家と、なんでも患者の真似をしようとします。プロを指南役に仕立てるわけですから話が早い。

「精神科医・伊良部シリーズ」のなかでは「空中ブランコ」がいちばん面白かった。だれもが「こいつ、本当に医者か?」と疑問に思うほどでたらめな男ですが、深刻ぶった顔をせず、なんでも笑い飛ばしてしまうところから、患者の心の壁を壊してしまいます。本人が意識しているかどうは不明ですけど。

お勧め度:★★★☆☆

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