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2011年10月 7日 (金)

テメレア戦記 1 気高き王家の翼 (ナオミ・ノヴィク)

19世紀初頭、ナポレオン戦争当時のイギリスが舞台です。ネルソン提督率いるイギリス艦隊は、ヴィルヌーブ率いるフランス・スペイン連合艦隊のイギリス本土侵攻を阻むべく海上封鎖を続けていた点は史実と一致します。つまり「テメレア戦記」はファンタジー小説であると同時に歴史改変SFでもあるわけです。

さて、イギリス戦艦・リライアント号の艦長ローレンスが、拿捕したフランス艦からドラゴンの卵を発見するところから物語は始まります。この世界では船はあっても飛行機はありません。空を支配しているのはドラゴン部隊です。ドラゴンの身体にハーネスを取り付け、その下部(腹部)のネット内に荷物を積んだり、爆撃手が乗り込んだり、ライフルを持った人間は搭乗ベルトをハーネスに取り付けたりと、まるでドラゴン爆撃機です。巻末にすこしイラストが載っています。

ドラゴンは孵化すると同時にキャプテン候補者がハーネスを取り付けて馴らすことになっていて、リライアント号の乗組員のなかから候補者が選ばれたのですが、ちびドラゴンが選んだのはローレンスでした。(いきなり英語をしゃべりました! 後日わかったことですが彼はフランス語もできます。)

ドラゴン部隊はイギリスよりもフランスが優勢な状況で、新たなドラゴンはイギリスの戦力になるわけですが、ローレンスは海軍から空軍に移ることになり、人生が一変してしまいます。そのあたりの心理描写も丁寧で好感が持てます。

児童書というジャンルになるようですが、大人が読んでも十分楽しめるファンタジーです。ドラゴン好きは是非!

お勧め度:★★★★☆

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