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2011年9月 7日 (水)

星を継ぐもの (ジェイムズ・P・ホーガン)

UNSA(国連宇宙軍)は、オレゴン州ポートランドにあるIDCCが開発した透視分析装置トライマグニスコープの貸し出しと、技術者の派遣を「至急」要請してきた。月の裏側の洞窟で発見された、真っ赤な宇宙服を着た死体の分析を行うためにイギリスからやって来たヴィクター・ハント博士の視点で謎が解き明かされていきます。

調査の結果、その死体(以下チャーリーと呼ぶ)は生物学的には現代の人間と変わりはない。問題は、彼が5万年前に死亡していたという事実。チャーリーはどこで生まれ、どうやって月まで来て、なぜそこで死んだのか。彼の所持品の中から手帳に目をつけたハントは言語学班に解読を依頼します。分析は困難を極めますが、手帳の表を見た女性スタッフの「それ、カレンダーじゃない?」という一言から、ハントは仮説を立て徐々に謎を解いていきます。

限られた手がかりから謎を解いていく過程がリアルで、じんわりと面白いのです。そして、ひとつ明らかになると、新たに謎が増えてしまうジレンマ。生物学班、数学班、物理学班等、バラバラに調査していては効率が悪いうえに「結果ありき」で証拠固めに走るグループまで出てきます。このあたりは日本の検察の問題、つまり「まず犯人ありき」で事件の筋書きを決めてかかり、それに不利な証拠は消してしまうという「事件」を思い出します。

一方、木星の衛星ガニメデの地下で、巨大宇宙船の残骸が発見され、調査のためハントが派遣されます。これはチャーリーとなにか関係があるのか…。

ハードSFと呼ばれるだけあって読み応えがありましたが、退屈することなく驚愕のラストまでたどり着きました。これは一度は読んでみるべきです。

お勧め度:★★★★★

木星探査に向かうハントはまず月面に降り立ち、チャーリーが発見された洞窟を検分します。初めて月面に立ったハントの感想が「ブライトンの海岸のような感じだね」。ブライトンの海岸は砂よりも小石が多かった印象が強いのですが、月面ってそうなんですか?

続編が「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」「内なる宇宙」とあります。

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