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2011年8月

2011年8月30日 (火)

天国の本屋 (松久淳+田中渉)

あの世とこの世、来生と現世。人はふたつのパラレルワールドを通して100年の寿命が与えられているのです。この世で20歳で亡くなると、あの世で80年過ごし、100年経つとまたこの世に転生するという仕組み。この世で100歳を超えると、どこかに生まれ変わりが現れるといいます。

あの世とこの世のバランスに目を配る人材管理局員に「天国経験者」としてスカウトされた「さとし」は、なぜか書店の店長代理として本の朗読をするようになり、それが人気を博します。

その店にはレジ係として「ユイ」という女性がいるのですが、暇なときはいつもゲームボーイに熱中していて、話しかけてもぶっきらぼうで無愛想。取りつく島もありません。ところが、ある日気がつくと…。

ちょっと異色だけど素敵なファンタジー。「泣いた赤おに」や「ナルニア国物語」が懐かしい。すべての本好きな方へお勧めします。

お勧め度:★★★★★

2011年8月26日 (金)

とある飛空士への夜想曲 (上) (犬村小六)

「とある飛空士の追憶」を別の視点で描いた作品。レヴァーム皇国軍の飛空士「海猫」が次期皇妃ファナを乗せて12,000kmを飛び、その際「海猫」を墜すべく挑んだ天ツ上海軍の千々石武夫が今回の主人公。またサブストーリーとして、海猫に美姫がいたように、千々石にも幼なじみの歌姫がいました。

千々石が海猫を射程に捉えたとき、まさかのファナの反撃であえなく敗退した話は「そうそう、そうだった!」。同じ物語を別の角度から眺めるという手法は珍しくはないけれど、やはり面白い。しかし、天ツ上海軍はまるで「旧日本軍」。太平洋戦争には嫌悪感をもっているので、ラノベとしては違和感があるのと、漢字ばかりで読みづらいです。(苦笑)

それでも千々石と海猫の対決が気になるので、下巻が出たらきっと読みます。(また貸してね>次男)

お勧め度:★★★☆☆

2011年8月24日 (水)

飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ (井村和清)

この本を手に取ってページを繰った瞬間「これはまずいな…」。

「心の優しい、思いやりのある子に育ちますように。悲しいことに、私はおまえたちが大きくなるまで待っていられない」。涙なくして読めません。

31歳で癌のために亡くなった若い医師がふたりの娘に書き残した遺稿集を再編集した本です。5年間、医師として患者の生と死に向き合ってきた経験が、自身の病状によってとんでもない重さをもって迫ってきます。健康な身には「あたりまえ」な毎日がどれだけ幸せなことなのか。

内科医だったから自分の病気がわかってしまうという事情もあったでしょうけれど、病気と正面から向き合い、子供たちに本を遺したことには頭が下がる思いです。

お勧め度:★★★★★

2011年8月22日 (月)

付喪堂骨董店〜不思議取扱います (御影彰彦)

「付喪堂(つくもどう)骨董店」というのは、オーナーである摂津都和子が趣味で集めている「アンティーク」(不思議な力を持った物や道具)が偽物だったときに店頭に並べられるため看板にもFAKEと書いてあるらしい。都和子は「アンティーク」探しに忙しいため、店はアルバイト2名(舞野 咲と来栖刻也)に任されているのでした。ほとんど客も来ない、暇な店なのですが、稀に本物の「アンティーク」が紛れ込んでくると騒動が起こるのです。
  1. 偶然
    思いついた偶然が現実になる振り子

  2. 触るだけで病気が治るという仏像
  3. 記憶と記録
    書いたことは絶対忘れないノート
  4. プレゼント
    その日稼いだお金が翌日には消えてしまう財布

魔力というより呪いの品というべきものも混じってます。1〜3章で痛い目に遭っている(2章では咲が死にかけた)刻也が、4章では店頭に転がっていた財布を勝手に使って呪われてしまうというのは解せません。さらに、宵越しの金を持つことができないならと、物(女性服など)に替えて、それを咲にプレゼントだといって渡しておいて、あとで返してもらって換金(返品)するなんて、不自然で回りくどい筋書きはありえません。舞台設定は面白そうだったのですが残念です。

お勧め度:★★★☆☆



2011年8月20日 (土)

地名で読む京の町 (下) 洛東・洛北・洛南編 (森谷尅久)

上巻に続いて洛東、洛北、洛南の地名を解説していきます。個人的には洛北(左京区、上京区)に馴染みがあるので興味深く読みました。知らなくても困らないけれど、知っているとうんちくを語れます。(笑)
  • 洛東
    円山(円山公園、知恩院)
    祇園(八坂神社、祇園花街、建仁寺)
    六波羅(六波羅蜜寺、六道珍皇寺)
    霊山(霊山山麓、高台寺)
    清水(清水寺、地主神社、清水坂・二年坂・三年坂、五条坂、八坂塔)
    七条(方広寺、三十三堂)
    月輪(東福寺、泉湧寺)
    東海道筋(粟田口、青蓮院、日ノ岡・安祥寺・四ノ宮、毘沙門堂)
    山科(勧修寺、随心院、大石神社、山科本願寺跡)
  • 洛北
    上賀茂(上賀茂神社、社家町)
    下鴨(下鴨神社、糺の森)
    吉田(吉田神社・京都大学、百万遍)
    岡崎・聖護院(白河・六勝寺、岡崎公園・平安神宮、聖護院)
    南禅寺(南禅寺、永観堂、若王子神社)
    浄土寺・黒谷(銀閣寺、鹿ヶ谷、黒谷、真如堂)
    修学院・一乗寺(修学院、一乗寺)
    松ヶ崎(松ヶ崎、宝ケ池、深泥ヶ池)
    岩倉・上高野(岩倉、崇道神社、三宅八幡)
    八瀬・大原(八瀬、大原)
    鞍馬・貴船(鞍馬寺・由岐神社、貴船神社)
    花背・久多(花背、久多)
    紫野(紫野・蓮台野・船岡山、大徳寺)
    鷹ヶ峰(鷹ヶ峰、京見峠)
    周山街道(中川・小野、山国)
  • 洛南
    島原(西新屋敷を島原と命名、島原を歩く)
    鳥羽(鳥羽街道、城南宮、吉祥院、塔の森)
    伏見(城下町伏見、桃山の時代へ、伏見の町を歩く)
    深草(墨染、師団街道、伏見稲荷大社)
    中書島(中書島、京橋と寺田屋、南浜通を歩く)
    淀(淀城)
    醍醐(醍醐寺)
お勧め度:★★★☆☆

2011年8月18日 (木)

地名で読む京の町 (上) 洛中・洛西・洛外編 (森谷尅久)

                         
        京都を地名から知るためのうんちく本の上巻です。耳慣れた地名が多いわりに由来までは知らないことが多いのではないでしょうか。京都に行く機会があれば一読しておくと、旅も興味深いものになること請け合いです。
       
             
  • 洛中
              京都御所周辺(京都御所、御所周辺の町家、京の七口)
              東西本願寺(本願寺、寺内町、京都タワーと京都駅)
              東寺かいわい(東寺と西寺、地名にみる平安京)
              新京極・寺町通かいわい(新京極・寺町通、新京極の誕生、寺町通の表情)
              木屋町通と先斗町(高瀬川、木屋町、先斗町、河原町)
              鉾町の周辺(鉾町、山鉾町の由来、山鉾町の町割、室町通と新町通)
              秀吉の通した道(短冊形の町割、御幸町通から間之町通まで、車屋町通から小川通まで)
              西の京(平安時代の名残り)
              聚楽第と二条城(聚楽第、地名からみた聚楽第、二条城)
              壬生かいわい(壬生、壬生狂言、新撰組)
              立売の町(立売、錦小路)
              北野さんと西陣(北野天満宮、西陣、西陣を歩く、西陣の地名と通り名)
  •          
  • 洛西
              衣笠・等持院(金閣寺、平野神社、等持院、竜安寺)
              御室・鳴滝(仁和寺、鳴滝)
              花園(妙心寺、法金剛院)
              太秦(広隆寺、蚕ノ社・太秦かいわい)
              嵯峨(大覚寺、清涼寺、常寂光寺、二尊院、野宮神社)
              嵐山(大堰川、天竜寺、法輪寺、大悲閣、保津峡)
              鳥居本・清滝・愛宕山(化野念仏寺、清滝、愛宕神社、永尾)
              三尾(高雄・神護寺、横尾・西明寺、拇尾・高山寺)
              大原野(大原野神社、勝持寺、善峰寺)
              松尾(松尾大社、西芳寺、華厳寺)
              桂(桂離宮)
  •          
  • 洛外
              宇治(宇治上神社・宇治神社、宇治川、宇治橋、平等院、宇治茶)
              八幡(石清水八幡宮、高良神社、松花堂)
              大山崎(山崎橋・山崎津、河陽離宮、離宮八幡宮、待庵)
              向日・長岡(長岡京跡、南・北真経寺、石塔寺、乙訓寺、光明寺)
                
  •        
       

お勧め度:★★★☆☆


      

2011年8月16日 (火)

神様のメモ帳 7 (杉井 光)


公園のホームレスが襲撃される事件が起き、被害者たちとも面識のある「少佐」はエアガンで金属球を撃つことができるように改造されたモデルが使用されたのではないかと単独調査を開始します。一方、売出し中のアイドル夏木ユイが「公園で見かけたお父さんを連れてきて会わせてほしい」とニート探偵事務所を訪れます。

今回のテーマは「家」(ホーム)。「居場所」がないから「ホームレス」。例によって社会の裏側を描く「神メモ」で、少佐が活躍(暗躍?)します。ナルミがユイに張り付くのが気に入らないアリスと、それに全く無頓着なナルミが愉快。アリスがどういう経緯でニート探偵になったのか等、正体はなかなか明かしてくれません。

アニメもスタートしましたが、彩夏の事件はカットされました。初っぱなから暗くなるのは避けたかったのでしょう。(苦笑)

お勧め度:★★★★☆

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2011年8月14日 (日)

永遠の出口 (森 絵都)

小学3年から高校卒業までの紀子の成長記です。
  1. 永遠の出口
  2. 黒い魔法とコッペパン
  3. 春のあなぽこ
  4. DREAD RED WINE
  5. 遠い瞳
  6. 時の雨
  7. 放課後の巣
  8. 卒業
  9. エピローグ

女の子が成長していく過程としてはリアルなのだろうと思うのですが、いまひとつピンと来ませんでした。「カラフル」「風に舞い上がるビニールシート」は面白かったので森 絵都を続けて読んでみたのですが「ショート・トリップ」で空振ったのがいけなかったのかも。

わたしにとって森 絵都は、甘いミカンではなく、苦くて酸っぱいグレープフルーツ。諸手を上げて「大好き!」とはいえないところが森 絵都なのです。

ただ、エピローグに「生きれば生きるだけ、なにはさておき、人は図太くなっていくのだろう。どうかみんなもそうでありますように」とあった、この言葉だけは共感できました。

お勧め度:★★☆☆☆

2011年8月12日 (金)

ショート・トリップ (森 絵都)

毎日中学生新聞に連載した中から48編を選んだショートショート集ということだったので星 新一をイメージしたのですが、各編はもっと短くて原稿用紙3枚。短いのはよいのですが、2話、3話と読み進めると、なにかおかしい。みんな尻切れとんぼで、どこが面白いのかがわからないのです。これはえらいこっちゃ!

わたしの読み方が悪いのか。なにか見落としているのか。笑いのツボがわからなくなってしまったのか。前の話が伏線になっていたのか。あ〜、わからん。中学生向けに書いてあるはずなのに何故?

と、15話までずっと悩みながら読んだのですが、ついに断念。やっぱり、つまらない。わたしは「旅」に参加できませんでした。(残念)

お勧め度:★☆☆☆☆


2011年8月10日 (水)

つきのふね (森 絵都)

さくらと莉利は、静香に命じられて万引きを繰り返していて、タツミマートでさくらは捕まってしまった。その後、さくらと莉利は口をきかなくなり、さくらはグループから外れて孤立してしまう。莉利を「追っかけ」ていた勝田は、ふたりの仲を心配してさくらをストーカーのように追い回す。

さくらは、万引きで捕まった際に助けてくれた智さんのアパートに通うようになっていた。そのことがストーカー勝田の知るところとなり、いつの間にか勝田も智のアパートを訪れるようになっていく。ところが、宇宙船の設計図を描く彼はすこしずつ壊れていく…。中学生と24歳の智の奇妙な友情。智を救うことはできるのか?

登場人物はみんな一癖も二癖もあるのですが、とても存在感があります。人の心を動かすのは「人」だということを思い出させてくれる小説です。

お勧め度:★★★★☆

2011年8月 8日 (月)

風に舞い上がるビニールシート (森 絵都)

「カラフル」のようなファンタジックな設定の児童書にも異分子がいたように、登場人物は、わがままで人間臭く、思わず眉をひそめてしまうようなことを平気でするような「毒気」を持っていて、きれいごとで済まないのです。それが喉に引っかかるから二度と飲みたくないと思いつつ「きれいごとばかりの小説が読みたいの?」と自問すると、それは何か違うと感じるから、また読んでみるわけです。

表題作(第6話)「風に舞い上がるビニールシート」とは、難民たちの命が毎日のように、それこそビニールシートが風に吹かれて舞い上がるように、弄ばれ、くしゃくしゃになり、飛んでいってしまう状況を指しています。その現場で難民対応に奔走するエドと結婚した里佳は、赴任したら1年は帰って来ない夫を、自宅には暖かく迎え入れようと努めるのですがエドには逆にそれが負担になるという葛藤が描かれています。(第135回直木賞を受賞し、TVドラマ化もされました)

第1話。オーナーパティシエの菓子店でパートナーとして働く弥生は、クリスマスイヴに『器を探して』出張する羽目に。プロポーズの機会を失った恋人は怒って「彼女を選ぶのか、僕を選ぶのか」と迫ります。

第2話。『犬の散歩』が日課の恵利子は、捨て犬に新しい飼い主を見つけるボランティアのために(えさ代を稼ぐため)夜のバイトをしています。犬のために何故そこまで?と訝る客に「牛丼なんです」。

第3話。夜間大学に通う祐介は、働きながらでも絶対に4年で卒業するためレポート作成を手伝ってくれるよう『守護神』ニシナミユキに頼みます。

第4話。仏像を作ることを諦め、修復することに専念する潔は、ある寺で出会った不空羂策観世音菩薩像に魅入られ、寺の鐘の音が五月蝿くて仕方ありません。

第5話。出版社に努める野田健一は、通販広告に関するクレーム対応のため、メーカーの担当者・石津直己と車で出かけますが、その車中で石津は明日の同窓会のための私用電話を掛けまくる『ジェネレーションX』に閉口します。

いずれも「お金ではない何か」に懸命になって生きてる人たちの話。必ずしも口当たりのよい話ばかりではありませんが、通して読んでみて「外した」「損した」とは思わないはずです。

お勧め度:★★★★★

2011年8月 6日 (土)

旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。(萬屋直人)

突然広がり始めた「喪失症」。発症すると、自分の名前を忘れ、名簿からも消え、写真も薄れていき、身体の色も褪せて、最後には地上から消え去って、最初から存在しなかったことになってしまう。そんな世界を「少年」と「少女」がスーパーカブ(原付)に乗って旅をしていた。目指すは世界の果て。いつか消えてしまうとしても、ふたりで交互に日記をつけながら走り続ける…。

作者は、固有名詞のない話を書いてみたかったとか。スーパーカブで旅をするには、ガソリンと水と食料が不可欠。ベッドはもちろん、風呂も期待はできません。地べたで寝る辛さを語るあたりリアリティがあるのは作者も経験があるから?

少女は気が強くて乱暴なので、少年は失言するたび痛い目に遭う。恋人同士ではないけれど、お互いに惹かれてる。そんな状態で旅をするのだからドキドキして良い感じ。少年か少女か、どちらが先に消えたらどうしよう?というドキドキもあります。

バイクで旅をするという設定は「キノの旅」を思い出しますが、こちらはキノみたいに物騒ではありませんし、バイクがしゃべることもありません。リアルな生活感のあるファンタジーです。しばらくの間、少年、少女と旅をしてみませんか?

お勧め度:★★★★☆

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2011年8月 4日 (木)

紫色のクオリア (うえお久光)

鞠井ゆかり(表紙絵)は、まわりの人間がすべてロボットに見える、紫色の瞳をもつ小柄な中学生。クラスメイトの波濤学(はとう まなぶ=女子、通称ガク)が(ロボットに見えているし、男子みたいな名前だし背も高いし)男子か女子か判断できないゆかりが、ガクを付け回しているうち、廊下の角で鉢合わせしたふたりは…。

天然系美少女ゆかりと仲良くなったガクの視点で物語が進んでいきます。学校を舞台にしたほんわかドラマかと思いきや「東京バラバラ殺人事件」などという物騒な事件が起きて、その事件に巻き込まれるわ、天才少女アリス・フォイルがゆかりを「ジョウント」なる怪しげな組織に引き込むわ、いきなり不穏な空気の真っ只中! こんなはずじゃなかったんだけどなぁ、と思っても後の祭り。こうなったら最後まで読むしかないでしょう。

量子力学だの、シュレディンガーの猫だの、物理の蘊蓄が出て来るし、ガクの「わたし」探しが始まるし、転校していったゆかりが消えてしまうし、SFにホラーとサスペンスが加味された、ちょっとハードなラノベ。作者があとがきで「全力を尽くした」というだけあります。

クオリアとは(作中でも解説されていますが)「感覚質」。平たくいえば「感じ」。「りんごの赤」といったときに脳に浮かぶ「赤い感じ」。それがクオリアです。この本では、ゆかりに見えているクオリアを共有できないガクのいらだちが彼女を突き動かします。

心して1ページ目を開いてください。後戻りはできません。

お勧め度:★★★★☆

2011年8月 2日 (火)

六百六十円の事情 (入間人間)

妙なタイトルの本だな、と手に取ってプロローグを読んでみると「カツ丼は作れますか?」。なにこれ、面白そうじゃん!

それは小さな町のローカルな掲示板への書き込みでした。660円というのは北本食堂のカツ丼の値段。以下の6章に分かれています。
  1. While my guitar gently weeps(由岐と静)
  2. 生きているだけで、恋(北本[孫娘]と竹仲[兄])
  3. パタパタパタ(ドミノと竹仲[弟])
  4. 愛とか、祈りとか(中家ソウと各務原雅明)
  5. 老人と家(北本[祖父])
  6. Q. これはオフ会ですか?
    A. いいえ、カツ丼です
余談ですが、While my guitar gently weepsはジョージ・ハリスンの名曲。

冒頭の書き込みがきっかけとなって、その町で暮らす人たちがつながっていきます。第一印象は、小さな劇団が演じそうな、老若男女が登場する群像劇。ひどく人間臭くて泥臭い。

4章まではそれぞれの事情が描かれるのですが、他章の登場人物が絡んできたりするのが有川浩の「阪急電車」みたい。そして、5章でシナプスのようにピトピトつながっていくのが愉快です。エピローグできれいにオチがついて「はい、お見事!」。ラノベとしてはユニークで秀逸。面白かった!

お勧め度:★★★★★

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