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2011年7月 9日 (土)

世界の中心で、愛をさけぶ (片山恭一)

いまさらながらの「セカチュー」です。長澤まさみの映画(2004年)が評判だったときも避けてました。苦手なんです、ベストセラーと純愛物語。ダブルパンチですから…でも、そろそろ時効かと。読み始めて真っ先に思い出したのが「野菊の墓」。中学時代、泣かせてくれました。

朔太郎にとって中学2年のときから身近だったアキ。高校に入ってふたりは自然に付き合うようになったのだけれど、アキは突然白血病にかかって…。闘病シーンが延々と続くのかと思ったら、冒頭から朔太郎がアキの遺骨をもってオーストラリアへ向かうところだったのでびっくり。以後、回想シーンとして物語が続きます。

すごく重いんじゃないかと恐れている方は安心してください、というのもおかしな話ですが、意外に淡々と語られていきます。重い内容のわりに軽い文章に引っ張られて一気に読めました。死を予感したアキの恐怖はいかほどだったか。また、アキを失った朔太郎の喪失感は言葉にならない。それをなんとか言葉にしてみたという歯痒さ。もっとくどく、しつこく書くこともできたと思うのです。でも、そうしなかったのが作者のセンスでしょう。わたしはこれくらいで助かりました。限界です。(苦笑)

アキが行けなかった修学旅行。そのオーストラリアへ着いてからのシーンが最後にあるのですが、エアーズロックのてっぺんで朔太郎が「愛をさけぶ」のかと思ったらそうじゃないんですね。期待してたのでちょっとがっかり。

ライトノベルを読み慣れた人には妙にあっさりしてて物足りなく感じるかもしれません。ラノベって味付けが濃いから、たまには舌を休ませてはいかがでしょうか。活字を(イラストの助けを借りずに)想像力で膨らませて楽しんでみましょう。

お勧め度:★★★★★

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