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2011年5月31日 (火)

夏のロケット (川端 裕人)

新聞社の科学部担当記者・高野は、過激派によるミサイル誤爆事件を調べるうち、ブーメラン状の噴射板に目をとめる。彼は高校時代、火星に憧れ、天文部ロケット班でロケット製作を試みていたのですが、当時の仲間・日高が設計した噴射板に似ているのです。彼が過激派と…?

過激派との関係を疑いつつ、かつての仲間たちが密かに進めているロケット打ち上げ計画を知り、巻き込まれていく高野。警察、公安に追われつつも夢の実現に向けて走り出す男たちの、ひと夏の挑戦を描いた物語です。

フィクションではありますが、ロケットの歴史や構造について、かなり詳しく書かれているのも面白かった。地球の軌道まで衛星などを運ぶビジネスをいかに安く上げるかを眼目にしているのが妙にリアル。いつか火星への有人飛行が実現することを祈りたくなります。

お勧め度:★★★★☆

「下町ロケット」(池井戸潤)、「2005年のロケットボーイズ」(五十嵐貴久)に続くロケットシリーズ。それぞれに全く趣は異なりますが、宇宙への憧れは共通しています。翼を持たない人間がどこまで行くことができるのか。折しもアメリカが2030年代までに火星軌道に有人宇宙船を送る計画を発表しました。「夏のロケット」の内容もにわかに現実味が出てきて、楽しみができました。

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