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2011年5月25日 (水)

下町ロケット (池井戸 潤)

「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「民王」に続く、わたしにとって4冊目の池井戸潤です。中小企業がプライドを賭けて大企業に挑むという筋書きは、時代劇の勧善懲悪に似て、ハラハラしながらも最後は一件落着して溜飲を下げるという喜びがあります。

この作者は、中小企業を舞台にした経済小説が、ほんとうに上手い。「空飛ぶタイヤ」以上に手慣れてきた感じを受けました。金を稼ぐことに汲々として、いつしか夢を忘れてしまっているアナタにぜひ読んでいただきたい!

佃製作所の社長・佃航平はロケット開発の技術者だったのですが、打ち上げ失敗の責任をとって研究者を辞め、父親の経営していた製作所を継いだのでした。ところが、大手取引先が「上からの指示だから」と急に取引を断ってきたところに、大手ライバル企業であるナカシマ工業から特許権侵害で告訴されて法廷闘争に巻き込まれ、業績悪化を懸念したメインバンクから追加融資を断られ、大ピンチを迎えます。水素エンジンのバルブに関する特許を、大手ロケットメーカーである帝国重工が買い取りを申し入れてくるところからが本題となります。

ジリ貧からの巻き返しが見どころ。思わず手に汗を握ってしまいます。一気に読み終えてしまい、最後は感動してしまいました。もう一度読もうかな。

お勧め度:★★★★★

池井戸潤のビジネス小説は「水戸黄門」。ハラハラしますが、最後は「正義は勝つ!」。ただ、銀行が舞台になると正義が勝つとは限らないようで…池井戸潤は銀行ものを除いて好きです。

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