ヒプノスの回廊 〜 グイン・サーガ外伝 22 (栗本 薫)
2009年5月に作者の逝去により、未完の大作となった「グイン・サーガ」。わたしが大学生のときに第1巻が出て、着かず離れず読み続けてきたシリーズが、同年12月の第130巻「見知らぬ明日」が遺作となり、おおきな喪失感を味わいました。そこへ2011年2月、「グイン・サーガ ハンドブック」などに収録された外伝を集めた本書を書店で見かけたときはうれしかった。「世界最高の大河ロマン、誕生32年! 最後のグイン・サーガ」と帯にあり、思わず手に取りました。 グインファンの方はすでにご存知の作品なのでしょうけれど、わたしにとっては初めての作品ばかり。本編の謎に関わる「ヒプノスの回廊」は面白かったし、「クリスタル・パレス殺人事件」では元気なナリスに会えたし、「アレナ通り十番地の精霊」では、ダンとアリスの双子たちの成長を見てみたいと思わせてくれました。 誰かがグイン・サーガを書き継いでくれれば…と思っていたのが現実になりそうです。早川書房から文庫形式で「グイン・サーガ・ワールド」が季刊で刊行される予定だとか。いつの日か、ほんとうの完結編「豹頭の花嫁」を読むことができますように! お勧め度:★★★★★ |
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