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2011年5月29日 (日)

2005年のロケットボーイズ (五十嵐貴久)

都立高校受験日当日、事故に遭ったため、私立工業高校に通うことになったカジシンこと梶屋信介。文系人間なので理系科目はちんぷんかんぷん。悪友ゴタンダと学校ではなくパチスロ三昧。そんなことをしていたら…退学寸前まで追いつめられた彼はひょんなことから「キューブサット」製作に挑むことになる。キューブサットとは、10cm角の立方体の人工衛星。それを地上300mから落下させ、パラシュートでより正確に目標に誘導することを競うコンテストに出場することになった。

理系音痴のカジシンだけではムリ。集まってきたのはオタク大先生、腕力の翔さん、寡黙なドラゴン、電気屋の娘・彩子、カジシンの祖父(ジジイ)ら異端児たち。カジシンの祖父の工場に機材を持ち込み開発を始めます。秋葉原に部品を買い出しに行くなど、なかなかリアル。東京に住んでいた頃、何度も秋葉原には通ったから懐かしいです。さて、コンテスト当日、テレビ取材を受け、学校中に実況中継されるなか、彼らのキューブサットが落下を開始した、のですが…。

学校をさぼるだけならまだしも、パチスロに入り浸るわ、酒を飲んでぶっ倒れるわ、およそ高校生とは思えません。ほんとは大学生だった設定を無理に変えたのか、しっくりきません。しかし後半、キューブサットをほんとうに宇宙に飛ばそうとするところから話は面白くなります。じつは「下町ロケット」(池井戸 潤・著)の流れで読んでみたのですが、おなじ「ロケット」でも本書はフィクション色がつよい。冒頭シーンはSFです。でも「下町ロケット」のような「大人のしがらみ」に囚われない自由な学生たちの姿が清々しい。

お勧め度:★★★☆☆

「ウォーターボーイズ」がシンクロなら「ロケットボーイズ」はキューブサットなのです。

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