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2011年4月13日 (水)

民王 (池井戸 潤)

ユニークな設定のエンターテイメント政治小説。「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」に続く、わたしにとって3冊目の池井戸潤。

首相である武藤泰山が、大学生の息子・翔と(人格が)入れ替わってしまいます。バーにいた翔は、気づくと泰山の身体に乗り移って国会で答弁中。渡された原稿を読むのですが、漢字が読めなくて議場は騒然。一方、国会にいたはずの泰山は翔の身体でバーでの誕生日パーティに移動。

戸惑いながらもなんとか事態を把握したふたりは側近と共に(人格が入れ替わった)原因を探り始めます。しかし、泰山は首相としての政務があり、翔は大学の講義に出席したり、就職活動(企業訪問)をしなければなりません。その役割も交代するわけですから、お互いに気が気ではありません。(笑)

与野党はお互いに足を引っ張り合い、マスコミがそれを煽る。政治家は党利党略に縛られ、国益はどこ吹く風。心配なのは選挙と支持率。愛人問題がどうとか、外国人からの献金問題がどうとか、そんなことよりも国会議員が今やるべき大事な仕事があるでしょう。

そういった日頃のストレスを、翔が晴らしてくれることを期待したのですが、人格が入れ替わった背景を描くことに比重が移ってしまい、ちょっと物足りませんでした。

ただ、最後は泰山は(ドラ息子だと思っていた)翔を見直し、政治家としての初心を取り戻し、翔は希望の会社に内定をもらえてハッピーエンド。きれいにまとめてあるので安心して読むことができます。

お勧め度:★★★★☆

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