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2011年4月17日 (日)

恋文の技術 (森見登美彦)

                         
        京都大学大学院の研究室から能登鹿島臨海実験所に飛ばされた守田一郎が「恋文の技術」をマスターして大儲けすべく、友人、先輩、家庭教師していた小学生、妹、憧れの女性(伊吹夏子)、森見登美彦らと文通に精を出す、書簡体小説です。以下の12章から成ります。
       
       
             
  1. 外堀を埋める友へ
  2.          
  3. 私史上最高厄介なお姉様へ
  4.          
  5. 見どころのある少年へ
  6.          
  7. 偏屈作家・森見登美彦先生へ
  8.          
  9. 女性のおっぱいに目のない友へ
  10.          
  11. 続・私史上最高厄介なお姉様へ
  12.          
  13. 恋文反面教師・森見登美彦先生へ
  14.          
  15. 我が心やさしき妹へ
  16.          
  17. 伊吹夏子さんへ 失敗書簡集
  18.          
  19. 続・見どころのある少年へ
  20.          
  21. 大文字山への招待状
  22.          
  23. 伊吹夏子さんへの手紙
  24.        
       

森見登美彦はパラノイア(偏執病)の傾向があります。「四畳半神話大系」「四畳半王国見聞録」では四畳半にこだわり、「美女と竹林」では竹に、そしてこの「恋文の技術」では手紙にこだわっています。おまけに登場する野郎どもは変態か阿呆(またはその両方)と相場は決まっています。

書簡体小説には、じつはあまり期待してなかったのです。ところが、これが意外と面白い。読者が見るのは基本的に守田一郎が書いた手紙だけ。相手の返事は見えないのですが、その返事を見ることで話がつながっていきます。相手が何と書いてきたかはわからなくても、守田が慌てたり、困ったりするのが可笑しいのです。
       
        とくに可笑しかったのが6章と9章。6章で守田は、研究室の暴君・大塚緋沙子先輩をやり込めるつもりが、信じられない返り討ちに遭うし、9章では失敗例の「反省」を読んでは大爆笑。たとえば「この恋文の最大の問題点は、読んでいるうちに書いた人間を絞め殺したくなることだと思う」。(笑)
       
        適当に行き当たりばったりで書いているのかと思ったら、時系列に整理されていて「頭、使って書いてるんだ」。(失礼) 恋文というだけあって、かなり「濃い文」なので森見登美彦初心者にはお勧めしません。熱を出さないだけの免疫がある方、どうぞ!
       
        お勧め度:★★★★★       

「天狗ハムって旨そうだな」と思って調べたら金沢に実在するんですね。ちなみに、この本を読んでも「恋文の技術」は身に付きません。あしからず。

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