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2011年3月24日 (木)

幽霊人命救助隊 (高野和明)

浪人生の高岡裕一は首吊り自殺をしたのですが、気がつくと崖を登っていました。そして神様に出会い、ヤクザ、中年男、若い女と4人で協力して、自殺しようとする人間を100人助けたら天国に行かせよう、と提案されます。期限は49日間。RESCUEと背中に入ったオレンジ色のつなぎを着て新宿に降り立った4人は無事に天国に行くことができるのでしょうか?

「13階段」に続いて高野和明の小説を読んでみました。浅田次郎の「椿山課長の7日間」同様、死んだ人間が一旦現世に戻る話です。なにが面白いって、あとがき(解説)が「死の壁」の著者・養老孟司なのです。たしかにはまり役です。

それはともかく、600ページのほぼ全編が自殺志願者たちの話なので、鬱病とか、いじめとか、リストラとか、借金苦とか、そんなのばっかり。とんでもなく暗いです。実際に鬱病を経験した人にはお勧めしません。自殺などとは無縁な、シアワセな人たちのための本です。

暗いんですけど、自殺志願者を救助するのが幽霊だというのが笑える、というか「救い」です。生きている人間の目には見えず、高いところから落ちても死にません(もう死んでますから)。ただ、物理的接触ができないので、大量の睡眠薬を飲もうとするのを止めることはできません。見ているしかないのかというと「応援」する方法と、生きている人間の考え(気持ち)を「モニターする」方法が用意されています。限られた手段を駆使して、自殺を思いとどまらせたら勝ちなのです。

幽霊人命救助隊のひとりは「死のうとしてる奴らが恐れるのは未来だ。この先、いいことなんか何もないと思い込んでる。だがな、誰も預言者じゃねえ。(中略) 未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである」。

100人目の自殺志願者は誰だろう、と思ったら…なるほど、そう来ましたか。

お勧め度:★★★★☆

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