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2011年1月 8日 (土)

ゴールデンスランバー (伊坂 幸太郎)

「おまえ、オズワルドにされるぞ」。大学時代の友人・森田に呼び出され、そう告げられた直後、首相暗殺の爆弾が炸裂した。そして、その犯人は俺だと報道されている。一体なにが起こってるんだ!?

アメリカのケネディ大統領暗殺事件の犯人として拘束され殺害されたオズワルド。首相暗殺の濡れ衣を着せられ、巨大な権力によって抹殺されようとしている青年・青柳雅春が逃げて、逃げて、逃げまくるサスペンス小説です。

この本は5部構成。

  1. 事件のはじまり
  2. 事件の視聴者
  3. 事件から二十年後
  4. 事件
  5. 事件から三ヵ月後

第4部の「事件」がほとんどを占めるのですが、第1部で首相暗殺事件が起こり、第2部では病院でテレビを見ている様子が描かれ、第3部では事件の20年後、真相は明らかにされないまま封印されたことになっていて、第4部で関係者視点で順番に説明されていくのですが、説明が長いもので疲れてきて、斜め読みを始めたらストーリーがわからなくなってしまいました。(お恥ずかしい)

とにかく最後までページを繰ってから最初に戻って読み直して納得。映画化されていることを知ってTSUTAYAで借りてきました。豪華キャストでなかなか面白かった。映画では原作を端折ってあったり、改変している部分も多々あるので、映画を見てから原作を読んでみるのもお勧めです。伏線も多く、ストーリーはもっと奥深いです。

ビートルズのアルバム「アビー・ロード」に収められている「ゴールデン・スランバー」という曲をモチーフにしているのでiPodで聴きながら読んでいたのですが、映画で同機種のiPodが出てきてビックリ。余談ですが、自宅のCDライブラリを全部iPodにぶち込んだらディスク使用量が60GBになりました。それでもiPodのディスクはまだまだ余裕。本や音楽だけでなく映画だってネットからダウンロードして持ち運べる時代になりました。

かつての恋人や友人、同僚らに助けられ、なんとか逃げおおせるわけですが、事件後、会いたくても会えない両親や友人らに「俺は生きている」ということを相手にだけ通じる方法で伝えます。ラストシーンも含めて、それが粋で良いのです。アウトローの三浦まで味方につけてしまうところはフィクションならではですし、ウィットとユーモアのある登場人物たちのおかげで必要以上に深刻にならず、希望が持てるところがこの小説の魅力でしょう。

お勧め度:★★★★☆

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