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2011年1月12日 (水)

燃える地の果てに (上・下) (逢坂 剛)

1965年、スペイン南部の田舎町パロマレス上空で、核爆弾を搭載した米軍爆撃機B52が炎上、墜落。核爆弾4基のうち3基は発見されたが残る1基が見つからず、米軍は事実をひた隠しにして捜索するのでした。(この事故だけは史実です)

その町に、エル・ヴィエントという名工のギターを求めて滞在していた日本人フラメンコギタリスト・古城邦秋(通称ホセリート)の物語がひとつの軸となり、30年後の1995年の日本は新宿にある小さなバー”エル・ヴィエント”のマスター・織部まさる(通称サティ)がイギリス人クラシックギタリスト・ファラオナ・マクニコルと出会う物語がもう一方の軸となり、交互にストーリーは展開していきます。

あとで知ったことですが、これは「このミステリーがすごい!」 1999年に2位になった作品です。そうか、これはミステリーだったんだ。B52の墜落事故をめぐってソ連のスパイが暗躍し「一体だれがスパイだ?」と考えながら読むのですが、わたしの予想は外れました。(苦笑)

ギター製作の過程を見ながら、その構造や特徴を知ることができる、お得な部分もあります。わたし自身のアコースティックギターに関する経験でも、安いギターは弦が鳴るだけですが、良いギターはボディが鳴り、豊かな音が響きます。また、ギターは工芸品でもあるので、表面の仕上げも重要だというのは頷けました。

1965年と1995年のふたつの物語が出会ったとき、どんでん返しに遭いまして、一瞬わけがわからなくなりました。え、一体なにがどうなったの? こんなの、絶対に予測不能です。映画ではなく、顔が見えない小説だからこそできたことではないでしょうか。そういう意味で「やられた!」という感じです。

スリルあり、サスペンスあり、ロマンスありと読み応えがあります。じっくりとお楽しみください!

お勧め度:★★★★☆

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