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2010年11月19日 (金)

茨文字の魔法 (パトリシア・A・マキリップ)

レイン十二邦の王立図書館で拾われた少女ネペンテスは書記として育てられました。魔法学院の学生から預かった一冊の本は、茨のような文字で書かれていて、誰にも読み解くことができなかったため、司書に翻訳を依頼してきたのです。代理で受け取ったネペンテスはなぜかその本に惹かれ、密かに自分ひとりで翻訳に取り組みます。じつはそこに書かれていたのは三千年前に世界を征服した王と魔術師の物語だったのです。

マキリップを初めて読んだのですが、この「茨文字の魔法」は面白かった。レイン十二邦では先王が亡くなり、まだ若くぼんやりした娘テッサラが女王として即位することになっているのですが、国内には反乱の気配が漂っています。そんな不穏な空気とは無縁に暮らすネペンテスは「茨文字」に夢中になっていて、その本を渡した魔術師見習いボーン、同僚の司書レイドリーと共に謎を解いていきます。

征服王アクシスに付き従う強力な魔術師ケインは実は女性。ネペンテスとケイン、テッサラの3人の女性を軸に物語は進んでいくのですが、後半に至るまで展開がよく見えず、男性だと思ってたら女性だったりと戸惑いました。でも終盤、散らばっていた謎が見事につながっていく様は壮観。胸のすく思いでした。

SFとしてみると突っ込みたくなるところが多々ありますが、ファンタジーとしてはよくできています。各々ちがった意味で魅力的な女性たちと、三千年前との運命のつながり。内乱とは比べものにならない危機をまえにネペンテスが下した決断とは? 慌てずじっくりと味わいながら読んでみてください。

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