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2010年10月11日 (月)

孤愁ノ春 ~ 居眠り磐音 江戸双紙 (佐伯 泰英)

前回「更衣ノ鷹」で、作者はこれまでの流れに区切りをつけました。磐音たちが支持していた11代将軍候補 徳川家基が病死(暗殺?)し、佐々木玲圓、おえいは自裁。尚武館佐々木道場は幕府から閉鎖を命じられたのです。磐音にとっても、読者であるわたしにとっても青天の霹靂。こんなふうにリセットスイッチを押すなんて…と恨み言のひとつも言いたくなりました。

が、磐音とおこんが戻ってきました。すごく懐かしい。「久しぶりっ!」と声をかけたいところですが、顔色が冴えません。それもそのはず、幕府では田沼意次が権勢をふるい、磐音をはじめとする家基擁護派は粛清にさらされることになります。密かに暮らしていた今津屋の御寮にも刺客が送り込まれてきたため、磐音とおこんは江戸を脱出し、佐々木家の墓があるという刈谷へ向かいます。

これまで磐音は、町人から忍びや幕府の要人まで多くの人たちと関わり、親交をもってきたことが思い出されます。田沼の監視下にあっては、そういった人たちを訪ねることはもとより、手紙を出すことさえ憚られる始末。ほんと、磐音は「いい人」です。ふつうこういう人物は長生きできないのですが、磐音は主人公ですから死にません!

お腹に子を宿したおこんとふたりの逃避行。今回は熱田神宮に参詣し、尾張名古屋泊り。田沼一派に一矢報いる日を楽しみにしています。

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