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2010年10月 9日 (土)

トリツカレ男 (いしい しんじ)

「ジュゼッペ、今度はなににトリツカレたんだい?」

凝り性のジュゼッペは、オペラにはじまり、三段跳び、サングラス集め、外国語習得、探偵稼業、等々。ハツカネズミに凝った挙句、言葉をしゃべるネズミまで生み出してしまいます。毎日レストランで働くジュゼッペですが、接客がすべてオペラ調では大迷惑。おかげで暇を出される始末。しかし、長くは続かないのがジュゼッペです。そんなことを繰り返すうち、街で見かけた風船売りの少女に恋をしました。見た途端、固まってしまうのが可笑しい。外国からやって来て、まだ会話が不自由な少女の名はペチカ。ヒロインの名前が「ペチカ」というのは「童話物語」 (向山 貴彦)と同じ。偶然でしょうけれど。

素敵な笑顔を見せてくれるペチカですが、ジュゼッペは彼女の笑顔の影に「こころのくすみ」を見つけます。その原因をハツカネズミに調べさせては密かに解決に奔走します。そこで過去に習得した技術が生かされるのです。それにしても「おいおい、そこまでするか?」という無私無欲な献身ぶり。果たしてジュゼッペの恋は成就するのでしょうか?

文庫本で160ページと比較的薄くて、文章も読みやすい。ドキドキしながらも、ほっとするストーリー。まさに現代の「童話」。泣いて笑える、気分転換剤としてお勧めします!

★作者いしい しんじは京都大学 文学部 仏文学科卒です。

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