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2010年9月13日 (月)

図南の翼 ~ 十二国記 (小野 不由美)

先王の没後、荒廃の一途を辿る恭国。豪商の娘、12歳の珠晶(しゅしょう)は王となるべく蓬山(ほうざん)を目指す。途中騎獣を騙し盗られながらもなんとか蓬山の麓にたどり着く。そこから先は妖魔の跋扈する地。果たして少女は麒麟の前に出ることができるのか。十二国供王誕生の物語。

黄海を渡り蓬山までの案内人兼ボディガードとして黄朱を雇います。彼は黄海で妖獣を狩ることを生業としており、宿で残りのひと部屋を取り合って成り行きから雇われたのです。12歳にしては「小賢しい」珠晶とはなにかと衝突します。依頼人を妖魔から守ることが任務とはいえ、他の道連れを省みない黄朱を「互いに助け合うべきでしょ」と珠晶は責めます。

草食動物が群れるのは、肉食動物に襲われたときに自分が助かる確率を上げるため。逆にいえば、他者を犠牲にして自分は助かるということ。300万人を救うために数十人を犠牲にすることは王であれば日常茶飯事ではないか。珠晶は悩みます。そして、馬車を仕立て大勢の従者をしたがえた者が妖魔に追われ徒歩の者を置き去りにしたとき、珠晶は単身歩いて戻ることを決意します。

「風の万里 黎明の空」で祥瓊が出会った恭王が珠晶です。あのときは幼いのに居丈高でしたが、その理由の一端がこの物語からわかってきます。また「東の海神 西の滄海」で登場した更夜にも会うことになります。さまざまな角度から描かれる「十二国記」がいろんな人物でつながっているのが興味深いですね。

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