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2010年7月24日 (土)

移動都市 (フィリップ・リーブ)

最終戦争で文明が荒廃した遙かな未来。世界は都市間自然淘汰主義に則り、移動しながら狩ったり狩られたり、食ったり食われたりを繰り返す都市と、それに反撥する反移動都市同盟にわかれて争っていた。移動都市ロンドンに住むギルド見習いの孤児トムは、ギルド長の命を狙う謎の少女ヘスターを助けるが…。

「ロンドンは高原の斜面をのぼっていた」って… 。ロンドンというのは街です。それが動いてる!?

地球では地殻の大変動が起き、一ヶ所に定住することはできなくなったため、各都市はタイヤやキャタピラをつけて移動できるようにしたのです。静止都市もあって、反移動都市同盟を組織していますが、移動都市は他の都市を「喰らう」ことで淘汰を繰り返しています。

都市が「都市を喰らう」というのは、都市を略奪、破壊、分解、リサイクルして物資を得て、その住民は奴隷として労働力にかえる行為です。複数階層から成るロンドンは、その最下層をガット(腸)と呼び、そこで「獲物」を解体しています。そこで主人公のトムは偉大な冒険家ヴァレンタインと出会います。自分のような史学ギルドの見習いに気軽に話しかけてくれる英雄に感激していると突如、顔にひどい傷のある少女へスター・ショウがナイフを振りかざしてヴァレンタインに襲いかかります。その攻撃はなんとか防いだものの、トムはへスターもろとも地表に突き落とされてしまいます。さて、トムはロンドンに戻ることができるのでしょか。

奇想天外な設定ですが、読み進めるうえで戸惑うことはありません。登場人物たちに引っ張られてストーリーが進んでいくなかで都市の様子などを想像するのが楽しい。「都市が動く」と聞いて「ハウルの動く城」を想像したのですが、ロンドンはもっと大きいでしょうし、煙突から煙が出ているというので動力は蒸気機関でしょうか。いくらキャタピラでも山や谷は移動できないでしょうし、海はどうするのかと思ったら、海を渡ることができる都市もあるようです。いずれにせよ、その世界は地図を作るのがむずかしそうです。(笑)

奇をてらったSFかと思いましたが、これは面白いです! 全4部作の第1弾なので続編も期待しましょう。

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