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2010年7月 7日 (水)

太陽の塔 (森見登美彦)

京大5回生の「私」は自分を袖にした「水尾さん」の後を「研究」と称して日々つけ回していた。そのレポートの中の手書きの週間予定表を見れば、彼女が今どこで何をしているかが大体わかるのだった。そして、私はカップルを憎悪する友人たちと「打倒クリスマス!」を目指しておかしな計画を立てるのだが…。

要するに、彼女に振られた男の独白小説です。

著者の私小説ではないかと思わせるリアリティがありますが、その真偽は読者にとっては重要ではありません。銀閣寺や鴨川、百万遍、叡山鉄道、四条河原町、東大路通りなど、京都、しかも京大周辺の地理に明るい方には身近に感じられることでしょう。文庫本 240ページとそれほど厚いものではないのですが、小説のわりに文字数が多い。独白が延々と続くため改行が少ないのです。しかも、その文章が堅苦しく冗長なようで、豊富なボキャブラリーを駆使した妄想で彩られているのです。しかしながら、いかに巧みに表現したところで、その内容(主人公の行動)はあまりにくだらなく、アホなのです。笑うしかありません。「京大生ってどうなのよ?」と我が家の長男が心配になるのでした。(笑)

タイトルの「太陽の塔」は大阪万博のそれです。万博開催当時、お祭り広場の大屋根で隠されていた部分が現在ではすべてあらわになり、広い公園に堂々と屹立していて迫力があります。主人公が水尾さんを万博公園に連れていったとき、彼女は太陽の塔にいたく感動し、これは「宇宙遺産」だと言ったのです。たしかにあれは神か宇宙人のモニュメントにちがいありません。

同じ著者が「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」という本も書いています。じつは「四畳半神話大系」のアニメを数話見たのですが「太陽の塔」の流れを汲んでいます、「ゴキブリキューブ」とか。その2冊も読んでみようかな、怖いもの見たさで。(笑)

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