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2010年6月 7日 (月)

海の底 (有川 浩)

春の桜祭りでにぎわう横須賀米軍基地を突如海から現われた巨大甲殻類が襲った。警察官がもつ武器などでは成すすべもなく食われてしまう。海上自衛隊の潜水艦に逃げ込んだ自衛官2名と子供たち13名の運命は?

塩の街」「空の中」に続く有川 浩の「自衛隊三部作」のひとつ「海の底」です。体長が1~3mの「ザリガニ」が集団で人間に襲いかかってくるもので警察や機動隊でさえ撃退できません。陸上自衛隊の出動(武器使用))には政府の決断が必要だし、米軍も基地を蹂躙されて黙っているはずがない。政治的駆け引きと現場指揮者の采配。前者のまどろっこしさと後者の思い切りの良さが対照的。

主舞台は潜水艦「きりしお」内部です。幹部実習生の夏木と冬原が13人の子供たちの世話をするのですが、ひとりだけ高3の女の子がいました。最年長なので頼りになるものの、なにやら子供たちの間には歪んだものが存在し、諍いが絶えません。夏木と冬原コンビは「図書館戦争」の堂上と小牧を彷彿とさせますが、順番からいうと「海の底」のほうが先ですね。この自衛官コンビのやり取りも愉快です。最後には「ベタ甘」も登場しますのでご期待ください。

それにしても「海の底」ではなく「海の外」の話が延々と続きます。潜水艦も全く動きません。それについては作者もあとがきで「海の底(から来た奴ら)ということで一つ」と書いているのでよしとします。(笑)

「自衛隊三部作」の中ではこの「海の底」がイチオシです。泣けます!

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