« 塩の街 (有川 浩) | トップページ | RDG 2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (荻原 規子) »

2010年5月14日 (金)

甘栗と戦車とシロノワール (太田 忠司)

高校生探偵「甘栗 晃」は私立探偵だった父の跡を継ぐという明確な意思もないまま依頼を受けて巻き込まれていく。今回の依頼人は元「名古屋最凶の中学生(戦車)」の異名をもつ同級生「徳永」。彼の目の前で消えた小学校時代の恩師を探してほしいというのだ。青春ミステリー第2弾。

前作「甘栗と金貨とエルム」同様、舞台は名古屋。ローカルねたで恐縮ですが、主人公の甘栗がGIANT(自転車)で移動した地名をざっと挙げると、繁華街の栄、JR名古屋駅近くの笹島、名駅南にはじまり、太閤通、黄金陸橋、大須観音、鶴舞公園、名古屋工業大学、吹上、飯田街道、田辺通、瑞穂陸上競技場、天白川、野並、中川区の昭和橋、中川運河、新栄、覚王山、日泰寺。これらは実在するので、景色を思い描きながら読みました。

タイトルにもある「シロノワール」とは、名古屋でよく見かける喫茶店「コメダ珈琲店」の名物デザート。温めたデニッシュの上にソフトクリームがたっぷりトッピングされたもの。結構ボリュームがあるので、ひとりで食べるには勇気が要ります。(笑) 「コメダ珈琲店」は近畿、関東地方にも進出しているので、甘党の方は機会があれば一度お試しください。

最後のクライマックスで覚王山にたどり着いたときは驚きました。いえ、近所なので。日泰寺参道の「覚王山商店街」には古い食堂、喫茶店、寿司屋、駄菓子屋、紅茶専門店、花屋、履物屋、畳屋、医院などが並ぶ中に、ギャラリー、お洒落な小物やアクセサリーを扱う店がまじって、アジア的な独特の雰囲気を醸し出しているのです。毎月21日の縁日には参道を人が埋め、春と夏には「覚王山祭り」が開催されます。

物語にも登場した日泰寺参道入口のスターバックス。そこにスタバができたときは古い街並みとはあまりに異質で違和感があったのですが何年か経ち、参道にお洒落なケーキ屋さん「シェ・シバタ」がオープンして、新旧や「宗派」を超えて受け入れていくのが覚王山なのだと思うようになりました。

徳永の恩師は一体どこへ消えたのか。探し出すことはできるのか。ちょっと大人びた高校生探偵の活躍をお楽しみください!

« 塩の街 (有川 浩) | トップページ | RDG 2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (荻原 規子) »

現代小説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1887876/51227386

この記事へのトラックバック一覧です: 甘栗と戦車とシロノワール (太田 忠司):

« 塩の街 (有川 浩) | トップページ | RDG 2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (荻原 規子) »