2018年12月13日 (木)

下町ロケット ヤタガラス (池井戸潤)

下町ロケット ヤタガラス

下町ロケット ヤタガラス 』 はシリーズ第4弾。『ゴースト』の続編です。読み始めて「ここで分けるか!?」。TVドラマの「つづく」みたいであざとい。出版社の方針なのか、最近、金儲け主義を感じます。

佃製作所はロケット部品から、トラクターのエンジンとトランスミッションに賭けたようですが「ギアゴースト」に裏切られ、商品化は頓挫します。それでも「無人農業ロボットは、日本の農業の高齢化、人手不足を救い、作業効率が向上し、作付面積を増やせることで世帯収入も大幅アップする」と張り切ります。でも、ロボット導入のコストと維持費はどうするのか。ここでお得意の「銀行」は登場しないのか。ややリアリティに欠ける面もあります。

裏切り、保身、嫌がらせをする悪者が報いを受けて読者は溜飲を下げる。このあたりはいつもの池井戸潤なのですが、今回の「ゴースト」「ヤタガラス」はイマイチ。もう「下町ロケット」というタイトルから離れたほうがいいと思います。

お勧め度:★★☆☆☆

2018年12月10日 (月)

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 3 千両富くじ根津の夢 (山本功次)

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 千両富くじ根津の夢 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

八丁堀のおゆう 千両富くじ根津の夢 』 はシリーズ第3弾。

1. 本石町の蔵破り
2. 根津の千両富
3. 蔵前の活劇
4. 板橋の秋日和

蔵破りの盗賊と千両富くじ。ふたつの事件が起きて、なにやらややこしいことに。

江戸の証拠品を現代に持ち帰って科学分析。その結果は江戸では証拠にならないけれど、犯人を絞り込めれば攻めようもあります。ただ、派手に動くと正体がバレますよ。

しっぽまでしっかりクリームが詰まったチョココルネ。甘いかどうかは食べてみてのお楽しみ!

お勧め度:★★★☆☆

2018年12月 7日 (金)

ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン (小路幸也)

ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン

ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン 』 はシリーズ13弾。しばらくぶりなので登場人物の名前が混乱してたり、語り手のおばあちゃんは女性を老いも若きも、かずみちゃん、かんなちゃんと「ちゃん」づけなのでなおさら混乱します。

冬:人と出会わばあかよろし
春:新しき風大いにおこる
夏:若さ故の二人の夏に
秋:ヘイ・ジュード

花陽は医大に合格できるのか。研人と芽莉依ちゃんとの仲はどうなの。気がかりはいくつもあれど、堀田家全員でかかれば、なんでもなんとかなるのです。堀田家と隣の藤島ハウスだけでは部屋が足りなくなってきたこともなんとかなるのでしょうか?

巻頭の人物相関図なくして読めなくなりつつあるのは、人間関係が複雑になりすぎてどうかと思うのですが、このシリーズはこのまま進むしかないのでしょう。本で読む「連続テレビドラマ」として。

お勧め度:★★★★☆

2018年12月 3日 (月)

ジーヴスの事件簿 (P.G.ウッドハウス)

ジーヴズの事件簿 (P・G・ウッドハウス選集 1)

ジーヴズの事件簿 (P・G・ウッドハウス選集 1) 』 は、皇后陛下が「ジーヴス」を読まれると聞き、図書館で借りてきました。

"The Casebook of Jeeves"ですから、文字通り「事件簿」なのですが、いわゆるミステリー小説ではなく、どちらかというとスラップスティックです。事件というのはジーブスが仕える、頼りない独身貴族バーティにとっての「事件」。アガサ叔母や幼馴染のビンゴ・リトル、双子の従兄弟クロードとユースタスら「バーティと愉快な仲間たち」が起こす騒動を頭脳明晰ジーヴスが見事解決するという連作短編集であります。

執事ジーブスと主人バーティの力関係は微妙、絶妙なもので、バーティが趣味の悪いネクタイや靴下を身につけようとするとジーブスは表立って反抗はしませんが不本意なため冷戦状態となります。それは居心地が悪いためにバーティもなんとか休戦をと望むところにジーブスの策略がスポンとハマる。その軽妙で絶妙なユーモアがこの小説の魅力でしょう。ただ、ユーモアといってもイギリスなのでブラック寄りが標準です。

ジーブスいわく、執事に大切なのは「機略と手際」。紳士に仕える紳士というのがモットーなのです。

この小説をより楽しむには、ロンドン暮らしと執事のいる生活を経験することでしょう。その点、皇后陛下は日本でいちばん「ジーブス」を楽しめると思われます。

しかし、当時のハロッズには鮮魚を売っていたのでしょうか。わたしが訪れたときはインドの高級百貨店でしたが。当時も今も変わらないロンドンの風景も「ジーヴス」シリーズの魅力の源です。

お勧め度:★★★★☆

2018年11月29日 (木)

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 2 両国橋の御落胤 (山本功次)

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 両国橋の御落胤 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

八丁堀のおゆう 両国橋の御落胤 』 はシリーズ第2弾。

1. 牛込からの手紙
2. 備中から来た男
3. 四ツ谷の地蔵菩薩
4. 押上の茶会

江戸と平成を行き来して江戸の事件を解決するなんて、当然苦労が多いわけですが、そこは割り切りが大切。主人公おゆうの協力者は、江戸の定廻り同心・鵜飼伝三郎と、平成の友人・宇田川聡史。現代と江戸を行き来していることを隠し通せるかというと...。

まったく怪しくなかった人物が犯人だったり、ミステリーとしても楽しめます。

お勧め度:★★★☆☆

2018年11月25日 (日)

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう (山本功次)

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 』は、現代の元OL・関口優佳が江戸と東京を行き来しながら江戸の事件を解決に導くという荒唐無稽なお話。面白そうじゃないですか。

1. 神田佐久間町の殺人
2. 小石川の惨劇
3. 本所林町の幽霊
4. 深川蛤町の対決
5. 八丁堀の女

薬種問屋藤屋の跡取り息子・久之助が殺された。そのうえ、久之助は闇で粗悪な薬を流していたという噂が流れ、藤屋は大ピンチ。そこで南町奉行所定廻り同心・鵜飼伝三郎から噂に聞いていたおゆうに頼むしかないと...。

毒物検査や指紋検出できたとしても、それは江戸では証拠にならない。そこをどうするのかをはじめ、ツッコミどころ満載ですが、細かいことは気にせず、楽しみましょう。

物語の後半から事件は意外な展開を見せるので目が離せません!

お勧め度:★★★☆☆

2018年11月22日 (木)

東京すみっこごはん 楓の味噌汁 (成田名璃子)

東京すみっこごはん 楓の味噌汁 (光文社文庫)
東京すみっこごはん 楓の味噌汁 』はシリーズ第4弾。

1. 安らぎのクリームコロッケ
2. SUKIYAKI
3. 楓の味噌汁

1話は、SNS映えを生きがいにする読者モデル瑠衣は、セレブな友人2人に合わせて無理を重ねて...というときに「すみっこごはん」と出会います。2話は、母子家庭で経済的に高校進学が難しい瑛太。3話が、板前の金子さんの弟弟子・晴彦なのですが、金子さんが「すみっこごはん」で彼を試すようなことをするのは反則。それは職場ですべきこと。しかも、その後の「事件」も辻褄あわせとしか思えません。

このシリーズは好きだったのですが、ここに来て無理な展開が目につき残念です。

お勧め度:★★☆☆☆

2018年11月19日 (月)

神無月のマイ・フェア・レディ 下鴨アンティーク 4 (白川紺子)

下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ』 はシリーズ第4弾。

1. 星の花をあなたに
2. 稲妻と金平糖
3. 神無月のマイ・フェア・レディ
4. 兎のおつかい

慧の父親のことや、鹿乃が幼い頃に亡くなった両親の馴れ初めなど、野々宮家周辺の過去が明かされます。

4話では、明治はじめの京都の様子が描かれていて興味深いです。時代がちがえば、それだけで知らない街を旅するようで楽しい。

今度京都に行ったら緑寿庵清水で金平糖を買ってみよう!

お勧め度:★★★★☆

2018年11月16日 (金)

科学のミカタ (元村有希子)

科学のミカタ

科学のミカタ 』 は、日経新聞書評欄で見て図書館で借りてきました。

清少納言の「枕草子」ならぬ「科学ノ草子」。ゆるーい科学エッセイです。ぱらぱらページを繰りながら気になった部分を読めばいいと思います。

本文P110に書いてあることは、わたしも同感です!

お勧め度:★★★☆☆

2018年11月13日 (火)

月影の舞―立場茶屋おりき4 (今井絵美子)

月影の舞―立場茶屋おりき (時代小説文庫)

月影の舞 』は「立場茶屋おりき」シリーズ第4弾。

連作が続くほど、物語が折り重なって厚みが出て来ます。意外なところで過去の伏線が回収されて吃驚することも。独特の江戸語?にも慣れました。

1. 雨安居
2. 月影の舞
3. 秋の夕
4. 散紅葉
5. 風花

困っている人間は助け、職を与え、あまつさえ寝食にも困らないよう気を遣う。とっても男前なおりきです。また、そこに惚れ込んだ人たちが、おりきのピンチにはすかさず援助を申し出る。現代が失った「情」が生きている。そこがこの小説の魅力です。

お勧め度:★★★☆☆

«秋の蝶―立場茶屋おりき 3 (今井絵美子)

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